ラガヴーリン蒸留所特集!製法・歴史・種類の特徴を徹底解説!

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出典:whisky.com

ラガヴーリン蒸溜所はどこにあるの?

ラガヴーリン蒸溜所は、スコットランドのアイラ島にあります。
アイラ島では9つの蒸溜所が現在稼働しており、ウイスキーの聖地とまで言われることもあるほどの島です。

『LAGAVULIN(ラガヴーリン)』とはゲール語でLaggが窪地、Vulinが水車小屋という意味で、合わせて「水車小屋のある窪地」という意味です。

アイラ島の年間平均気温は以下のグラフのとおりで、年間を通して気温差がとても少ない場所です。夏は20℃を超えることが珍しく、冬は雪が滅多に見られない、日本に比べ比較的穏やかな気候です。

データ元:NOAA

ラガヴーリン蒸溜所の歴史について教えて!

1742年、ラガヴーリン蒸溜所はアイラ島で最も古い蒸溜所の一つと言われており、当時は密造としてお酒造りをしていました。正式に設立されたのは1816年です。

1817年、アーチボルト・キャンベルが運営する2番目の蒸溜所が設立されましたが、後にその蒸溜所はラガヴーリンと合併します。

1836年、創設者であるジョン・ジョンストンが亡くなり、グラスゴーの蒸溜酒商人であるアレクサンダー・グラハムが蒸溜所を買い取りました。

1861年、James L Mackie & Co,に買収されました。

1889年、ジェームズ・ローガン・マッキーが亡くなり、甥のピーター・マッキーが跡を継ぎました。ピーターは同僚やスタッフには「Restless Pete(落ち着きのないピート)」と呼ばれていました。また、「Nothing is impossible(不可能なことはない)」という格言で生きていたと言われています。

1890年、社名をJames L Mackie & CoからMackie & Coに変更しました。

1908年、ピーター・マッキーは「モルトミル」の名前で知られていた、蒸溜室と店であったと考えれれていた2つの建物を復元することに決めました。

1924年、ピーター・マッキーが亡くなり、社名がWhite Horse Distillers Ltdになりました。

1927年、White Horse Distillersとそのラガヴーリン蒸溜所はDistillers Company Limited(DCL)に加わりました。

1941年、第二次世界大戦によって操業停止にせざるを得なくなりました。

1962年、「モルトミル」はついに閉鎖しましたが、ここで作られた貴重なウイスキーのサンプルは現在でも、ラガヴーリン蒸溜所で安全に保管されています。

1974年、大麦の発芽を行うモルティング・フロアを閉鎖し、大麦麦芽はポートエレンからの買い付けに切り替えました。

製法の特徴は?

原料について

ラガヴーリン蒸溜所は1974年までは敷地内にモルティング・フロアを所有しており、自分達で精麦作業を行っていました。現在ではポートエレンという精麦業者(モルトスター)から買い付けしており、フェノール値が38ppmという値の大麦を使用しています。

フェノール値が高いほどスモーキーな香りがつくと考えられており、同じアイラ島のアードベッグ蒸溜所では50ppmほどの大麦を使用していることを考えると、ラガヴーリン蒸溜所は比較的穏やかなスモーキーさであると考えられます。

38ppmちょうどに調整するために、20ppmのモルトと50ppmのモルトをそれぞれ作り、混ぜ合わせる割合で調整しています。

粉砕について

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38ppmに調整されたモルトは粉砕気によって粉砕され、グリストと呼ばれる粉末になります。

グリストは挽き具合が重要であると言われており、粉砕度合いは粗いものがハスク、中程度をグリッツ、細かいものをフラワーと呼び、ハスク、グリッツ、フラワー、全体をまとめてグリストと呼びます。これらの割合が、ハスクが20%、グリッツが70%、フラワーが10%という割合が、最もウイスキーづくりに適していると考えられています。

グリストについてもう少し知りたい方は以下の記事を参考にしてみて下さい。

糖化について

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グリストは容量4トンの糖化槽(マッシュタン)に運ばれ、お湯と混ぜられます。

通常はできる限り糖分を回収するために、3回お湯と混ぜて、麦汁を回収するのですが、ラガヴーリン蒸溜所は2回しか行いません。

発酵について

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ラガヴーリン蒸溜所は10基の発酵槽(ウォッシュバック)を使用しており、すべて木製で容量は21000リットルもあります。

木製にすることで、長い年月をかけてその蒸溜所特有の酵母や乳酸菌が住み着くと言われており、これによってラガヴーリン蒸溜所らしさをもたらしてくれます。

ウォッシュバックに移された麦汁は酵母が添加され、約55時間発酵されます。この時間は通常よりも少し長く、これによりエステル香が豊富な原酒になります。
発酵後の液はアルコール度数約9%で、ビールに似た液体です。

蒸溜について

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ラガヴーリン蒸溜所は2回蒸溜を採用しており、初溜用のウォッシュスチルと再溜用のスピリットスチルが2基ずつ計4基のポットスチルを使用しています。

ウォッシュスチルは容量12500リットル、スピリットスチルは11000リットルです。ポットスチルはすべて銅でできており、蒸溜中に銅と接触することによってウイスキーに好ましくない硫酸系の香りを取り除いてくれます。

発酵を終えた液(ウォッシュ)はまず、ウォッシュスチルへ運ばれ、約6時間かけて一回目の蒸溜が行われます。これによってアルコール度数約20%のローワインと呼ばれる無色透明の蒸溜液が得られます。

ローワインはスピリットスチルへと運ばれ、2回目の蒸溜が行われます。この時の蒸溜液はミドルカットと呼ばれる操作で、最初と最後の蒸溜液をカットして、中間部分のみ回収され樽詰めに使用されます。これはスティルマンと呼ばれる人が、ラガヴーリン蒸溜所の求める原酒になるようにカットのタイミングを見極めます。

樽詰めと熟成について

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蒸溜液は樽に詰められ、長い時間をかけて熟成されます。スコットランドの法律で最低3年間熟成させなくてはウイスキーと名乗れません。

ラガヴーリン蒸溜所では、バットやホッグスヘッド、アメリカンスタンダードバレル(バーボンバレル)、クォーターカスクなど様々な大きさの樽を使い分けています。

樽の種類について詳しく知りたい方は次の記事を参考にしてみて下さい。

おすすめ動画

以下にラガヴーリン蒸溜所の紹介をしている、おすすめの動画を貼っておきます。
動画の内容は英語なのですが、ここまでの記事を読まれた方なら英語が苦手な方でも十分楽しめる内容になっていると思います。なかなか行くことが難しいラガヴーリン蒸留所の疑似工場見学体験を楽しんでいただけたら幸いです。

おすすめ動画:Whisky Tour: Lagavulin Distillery(YouTube)

ラガヴーリン蒸溜所はどんなウイスキーを出しているの?

以下、紹介文・テイスティングノートなどはmhdkk.comのサイトより引用しています。

ラガヴーリン 16年

アイラの南側では典型的な、広大とも言えるピートのスモーキーさを持つ、評判のシングルモルトです。
スモーキーさだけではなく、ドライさも併せ持ち、そのドライさがラガヴーリンを本当に魅力的なドラム(一杯)にしているのです。
ラガヴーリンはオークカスクの中で最低でも16年熟成され、情熱的でスモーキーな甘みを感じさせるシングルモルト。海藻の香味と広大なフィニッシュを併せ持ちます。

ラガヴーリン 8年

ラガヴーリン蒸留所創立200周年を記念して2016年に限定リリースされたラガヴーリン 8 年が、世界中から好評を得て、ついに定番商品として発売されました。
ラガヴーリンの味わいを余すところなく表現した、甘く、香り高いスモーキーさを持つシングルモルトスコッチウイスキー。ストレートもしくはロックでお愉しみ下さい。

終わりに

以上、ラガヴーリン蒸溜所特集でした!

ラガヴーリンはストレートでも水割りでもおいしく飲めるとてもおすすめのウイスキーです。この記事をきっかけに飲んでくれたらうれしいです!

また、お会いしましょう!

乾杯!

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