アバフェルディ蒸留所特集!製法・歴史・種類の特徴を徹底解説!

スコッチ
アバフェルディ蒸溜所の特徴

・デュワーズのキーモルトとして使用されている。
・ブレンデッドウイスキーで成功したデュワー家が建てた、唯一のスコッチウイスキー蒸溜所。
・ピティリー川という砂金を含んでいる、とても良質な川から仕込み水をひいている。

ハチミツのような華やかな甘い香りが特徴

出典:Whisky.com

アバフェルデ蒸溜所はどこにあるの?

アバフェルディ蒸溜所は、スコットランドの首都エジンバラから北東に向かって100キロほどのところに位置するアベフェルディ町にあります。

「Aberfeldy(アバフェルディ)」とはゲール語で「水の神のプール」という意味だそうです。

アバフェルデ蒸溜所の歴史について教えて!

アバフェルディ蒸留所は1896年にデュワー家によって設立されました。彼らはジョンデュワー&サンズ社の名前で会社を経営しており、ブレンデッドウイスキーのための原酒を求めていました。2年後の1898年に生産を開始しましたが、第一次世界大戦と食糧不足の間、彼らは1917年に生産を停止しなければなりませんでした。幸いなことに、戦争が終わった1919年に再び生産を開始することができました。

1925年に蒸留所はDistillers Company Limited(DCL)に売却され、DCLが事業を運営しました。 DCLは1972年に蒸留所の麦芽製造室を閉鎖し、ポットスチルの数を2つから4つに増設しました。 これを行うことにより、彼らは生産能力を高め、大麦を大きな麦芽工場から入手することでコストを削減しました。

1998年に蒸留所は再び所有権を変更し、現在のバカルディになりました。

製法の特徴は?

ここからは、アバフェルディ蒸溜所の製法について詳しく解説します。

そもそもウイスキーの製造方法って何?という基本的な製法を知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

原料について

ピティリー川 出典:@DewarsAberfeldy on Twitter

原料は大麦麦芽を使用しています。初期のころは独自の麦芽設備を使って麦芽を行い、わずかに泥炭(ピート)を使用して乾燥を行っていたのですが、1972年には麦芽室を閉鎖し、今日では麦芽は専門の会社から仕入れ、ピートの使われていないモルトを使用しています。

また、仕込み水は蒸溜所のすぐそばを流れるピティリー川から引いています。この川はかつてピティリー蒸溜所が使用していたりと、お酒造りには最適な良質な水です。また、ピティリー川は砂金が含まれていることでも有名で、ここからアバフェルディのウイスキーを「黄金の一杯」と表現したりします。

粉砕機について

出典:Whisky.com

アバフェルディ蒸溜所ではローラー式の粉砕機を使用しています。一回の粉砕で約7.5トンもの大麦を粉砕します。

粉砕された大麦はグリストと呼ばれ、次の糖化の工程へ移ります。

糖化について

出典:Whisky.com

糖化槽(マッシュ・タン)へ運ばれたグリストは水と混ぜられます。温度の高い水と混ぜることで、糖分とデンプンを溶出させ、このとき大麦由来の酵素の力を使ってデンプンを糖に分解します。

加えられる水は一回目は大麦由来の酵素がもっとも活性しやすい約65℃程度に加熱されてから、グリストと混ぜられます。

水は合計で3回加えられるのですが、2回目は75℃、3回目は85℃と、だんだんと水の温度を上げていき、できるだけ糖分を回収します。3回目の麦汁は糖分が少ないため次の糖化の際に再利用され、1回目と2回目の麦汁が次の発酵の工程へと移されます。

発酵について

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麦汁は発酵槽(ウォッシュバック)に運ばれると、酵母を添加され発酵が開始します。

アバフェルディ蒸溜所ではオレゴンパイン製やシベリアカラマツ製、ステンレス製などの複数の種類の発酵槽を使用しています。そのうち、ステンレス製のものは屋外で、木製のものは室内で使用しています。

これにより、発酵の環境が異なるため多様な原酒を生産できます。

発酵時間は一般的な時間よりやや長めの72時間ほど行い、フルーティーな香りを強調します。
最終的にウォッシュと呼ばれるアルコール度数約8%のビールに似た液体になります。

蒸溜について

奥の2基がウォッシュスチル、手前2基がスピリットスチル 出典:Whisky.com

アバフェルディ蒸溜所は2回蒸溜を採用しており、初溜用のウォッシュスチル(容量16500リットル)が2基と、再溜用のスピリットスチル(容量15000リットル)が2基の合計4基のポットスチルを使用しています。

ウォッシュはまずウォッシュバックに移され、最初の蒸溜が行われます。これによって得られる蒸溜液はローワインと呼ばれるアルコール度数約21%の無色透明な液体になります。

次にローワインはスピリットスチルへ運ばれ、2度目の蒸溜が行われます。この時回収される蒸溜液はミドルカットとよばれる方法で回収されます。蒸溜の最初の部分と最後の部分はカットされ、その間のハートと呼ばれる熟成に適した中間部分のみが回収されます。

再溜後に回収された蒸溜液はニューメイクまたはニューポットと呼ばれるアルコール度数約70%の液体になります。

アバフェルディ蒸溜所のスピリットスチルは高さが高いため、より軽く、フルーティな蒸溜液を得ることができます。

樽詰めと熟成について

出典:Whisky.com

ニューメイクはアルコール度数63.5%に加水されてから樽に詰められ、熟成庫へと運ばれます。

アバフェルディ蒸溜所の熟成倉は古いれんが造りの建物です。アバフェルディでの樽の選択は、ほとんどがアメリカンオークの元バーボン樽です。アメリカンオークは、アバフェルディウイスキーのややマイルドで滑らかな味わいに必要です。

おすすめ動画

以下にアバフェルディ蒸溜所の紹介をしている、おすすめの動画を貼っておきます。
動画の内容は英語なのですが、ここまでの記事を読まれた方なら英語が苦手な方でも十分楽しめる内容になっていると思います。なかなか行くことが難しいアバフェルデ蒸留所の疑似工場見学体験を楽しんでいただけたら幸いです。

おすすめ動画:Aberfeldy Distillery Visit(YouTube)

アバフェルディ蒸溜所はどんなウイスキーを出しているの?

以下、紹介文・テイスティングノートなどはアバフェルディの商品情報より引用しています。

アバフェルディ 12年

創業者ジョン・デュワーの故郷アバフェルディでつくられるシングルモルトウイスキー。1898年にジョン・デュワーの息子たちによって設立されたアバフェルディ蒸溜所では、現在も木製ウォッシュバックで長時間発酵させるなど伝統的製法が守られ、それによるハチミツのような甘い香りが生まれます。

テイスティングノート:

香りオレンジトフィーやナッツ
芳醇なハチミツのようなまろやかさとフルーティーな味わい
余韻スパイスとほのかなスモーキーさが感じられる後味

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