ボウモア蒸留所特集!製法・歴史・種類の特徴を徹底解説!

スコッチ
出典:ボウモアホームページ

今回は「アイラの女王」とも呼ばれるボウモア蒸溜所について特集しました。

アイラ島最古の蒸溜所であるボウモア蒸溜所は自分たちでモルティング(麦芽づくり)を行い、泥炭(ピート)を焚いて乾燥させるという伝統的な製法を続けている数少ない蒸溜所です。
そんな伝統を守りながら約250年続いているボウモア蒸溜所はウイスキーの歴史そのものです。

今回はそんなボウモア蒸溜所の歴史や製法について詳しく説明しています。
この記事によってボウモア蒸溜所に少しでも興味をもっていただけたら嬉しいです。

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ボウモア蒸溜所はどこにあるの?

ボウモア蒸溜所はスコットランドのアイラ島にあります。
アイラ島にはいくつか蒸溜所があるのですが、ボウモア蒸溜所はそのなかでも最古の蒸溜所です。

また、ボウモア蒸溜所は沿岸の海抜0mのところに建てられており、海風の影響を強く受けながらウイスキーを熟成させています。

「ボウモア」はゲール語で「大きな岩礁」という意味で、その名前からも海との深い関連性がうかがえます。

アイラ島の年間平均気温は以下のグラフのとおりで、年間を通して気温差がとても少ない場所です。夏は20℃を超えることが珍しく、冬は雪が滅多に見られない、日本に比べ比較的穏やかな気候です。

データ元:NOAA

ボウモア蒸溜所の歴史について教えて!

1779年、ボウモア蒸溜所はスコットランドでは2番目、アイラ島では最初に認可された蒸溜所です。
1837年、グラスゴーの双子であるムター兄弟ウィリアムとジェームズがシンプソン家からボウモア蒸溜所を買い取りました。
1887年、蒸溜所を買い取ってからわずか50年後、経済不況によりウイスキーの需要が減少し、ムター家はなくなく、キャンベルタウンのジョン・ベル・シェリフに蒸溜所を売却しました。
1892年、ジョセフ・ロバート・ホームズが率いる企業によって蒸溜所が買い取られ、このときに蒸溜所の名前を「ボウモア」に改めました。
1925年、シェリフ家がボウモア蒸溜所を買い戻し、蒸溜所の名前を「シェリフのボウモア蒸溜所(Sherriff’s Bowmore Distillery)」に改めました。
1940年、第二次世界大戦中に空軍基地としてボウモア蒸溜所が使用されたため、一時的に生産を停止しました。
1963年、スタンレーPモリソン社がボウモア蒸溜所を買い取りました。
1980年、エリザベス2世女王がボウモア蒸溜所を訪れました。女王が蒸溜所を訪れるのはこれが初めてのことで、そのとき蒸溜所よりウイスキーの入った樽をプレゼントされました。このウイスキーは後に慈善団体の資金集めのために売り出されました。
2014年、ビームサントリーがモリソンボウモア蒸溜所を買収しました。
2015年、日本特有の楢であるミズナラを使用したウイスキー「ボウモア ミズナラ」が発売されました。

製法の特徴は?

原料について

出典:whisky.com

ボウモア蒸溜所は大麦を原料に使用しています。ほとんどの蒸溜所は発芽し乾燥された大麦麦芽を買い取ってウイスキーを作っているのですが、ボウモア蒸溜所は独自の麦芽小屋があり、自分たちで発芽・乾燥を行っています。

まず、生の大麦をボウモア蒸溜所の近くを流れるラガン川からとってきた水に27時間浸します。
次に、浸した大麦を石でできた床全体に均一に広げます。24時間後、発芽の速度を一定にそろえるために大麦を定期的(4時間ごと)にかき混ぜます。この作業を6~7日間繰り返すと大麦から小さな芽が出始め(芽が緑色のためグリーンモルトと呼ばれる)るので、タイミングを見計らって乾燥の工程に移ります。

発芽後の大麦はアルコール発酵に重要なデンプンを消費してしまうため、乾燥させて大麦の活動を止めることでデンプンの消費を防ぎます。ボウモア蒸溜所では最初の18時間は泥炭(ピート)を焚き、次の42時間は熱風を使って約60℃を維持したまま乾燥させます。これによりボウモアの特徴でもある微かにスモーキーな大麦麦芽が出来上がります。

出典:ボウモアホームページ

粉砕機について

乾燥された大麦麦芽(モルト)は糖化のために粉砕されます。

ボウモア蒸溜所では1960年代に設置された粉砕機(Porteus Malt Mill)を使用してモルトを粉砕しています。
粉砕機の中には2セットのローラーが入っています。1セット目のローラーを通過すると穀物にひびが入り、2セット目のローラーでよりしっかりと穀物を粉砕します。この粉砕機では一度に20kgの穀物を粉砕できます。

粉砕されたモルトはグリストと呼ばれ、糖化槽へ運ばれます。

糖化について

出典:whisky.com

糖化槽(マッシュ・タン)は80年前の容量約8tの銅製のものが使われています。ラガン川の水を温めてグリストに加え、モルトに含まれている糖分を溶液中に溶かしだします。
次に、この麦汁はマッシュ・タンの底にあるふるいを通って排出されます。ふるいによって残った穀物に先ほどよりも温度のお湯を使って、できるだけ糖分を抽出し再度溶液を排出します。

2回絞り出されて残った粕は、アイラ島の地元の農家に牛の飼料として販売されます。

発酵について

出典:whisky.com

ボウモア蒸溜所ではオレゴンパインを使用した容量約4万リットルの木製の発酵槽(ウォッシュバック)を6基使用しており、冷却された麦汁を1つのウォッシュバックに貯めるのに約6時間かかります。

ウォッシュバックに麦汁が貯まったら酵母を加え約48~62時間発酵を行います。

発酵過程では、酵母が糖分を代謝してアルコールと二酸化炭素を生成します。
この二酸化炭素の影響で発酵中の2日間は麦汁が激しく泡立ちます。

発酵を終えた液はウォッシュと呼ばれアルコール度数約8%のビールに非常によく似た液体になります。

蒸溜について

出典:whisky.com

ボウモア蒸溜所には4つのポットスチルがあります。2つが初留用のウォッシュスチルで容量約2万リットル、残り2つが再溜用のスピリットスチルで容量約11500リットルです。

発酵を終えたウォッシュはまずウォッシュスチルへ運ばれ、蒸溜されます。このときの蒸溜液はローワインと呼ばれ、アルコール度数約22%の透明な液体です。

ローワインは次にスピリットスチルに運ばれ、2回目の蒸溜が行われます。この時、蒸溜始めの液(ヘッド)と終わりの液(テイル)は熟成に適していないためカットされ、その間の蒸溜液(ハート)だけが樽詰めされます。これをミドルカットと呼ぶのですが、これはスティルマンと呼ばれる人がカットのタイミングを見極めます。回収された蒸溜液はニューメイクと呼ばれ、アルコール度数は約69%です。

ニューメイクは樽に詰められ、熟成庫へと運ばれます。

樽詰めと熟成について

出典:whisky.com

ボウモア蒸溜所では主にホワイトオークから作られているバーボン樽と、スパニッシュオークから作られているシェリー樽を使用しています。その比率はだいたいバーボン樽が70%、シェリー樽が30%です。

この他にも、ボルドーのマディラワイン樽や、日本特有のオークであるミズナラ樽なども使用されています。

スコットランドの法律で、ウイスキーは最低3年間樽熟成を行わなくてはいけないのですが、ボウモア蒸溜所では最低9年間の樽熟成を行っています。

ニューメイクが詰められた樽は、3棟ある貯蔵庫に運ばれます。
そのうちの第一貯蔵庫(No.1 Vaults)は海抜0mの海に直接面したところに建てられています

原酒は海風に包まれながら長い時間かけて熟成されることでボウモア蒸溜所ならではの独特の風味が与えられます。

おすすめ動画

以下にボウモア蒸溜所の紹介をしている、おすすめの動画を貼っておきます。
動画の内容は英語なのですが、ここまでの記事を読まれた方なら英語が苦手な方でも十分楽しめる内容になっていると思います。なかなか行くことが難しいボウモア蒸留所の疑似工場見学体験を楽しんでいただけたら幸いです。

おすすめ動画:Bowmore distillery, Islay, Schotland(YouTube)

ボウモア蒸溜所はどんなウイスキーを出しているの?

以下、商品の紹介文・テイスティングノートなどはボウモア蒸溜所のホームページより引用しています。

ボウモア No.1

1st.フィルバーボン樽熟成モルトのみで香味設計。主体は海抜0メートルに位置するNo.1 Vaults(第1貯蔵庫)熟成モルト。他にはない、バニラ様と潮の香の融合とともに、スモーキーさにシトラス、シナモン、ハチミツの感覚が潜む。ハイボールがとくにおすすめ。度数40%

テイスティングノート

黄金色
香り微かな潮の香・バニラ・シナモン
シトラス・ハチミツ・心地よいスモーキーな感覚
フィニッシュバニラ様の甘さとスモーキーさの後に、ライムのような爽やかなキレ

ボウモア 12年

ドライなスモーキー感と柔らかなフルーティー感の調和が見事。飲みやすさのなかに、個性的な潮の香が感じられるボウモアを代表する逸品。度数40%

テイスティングノート

琥珀色
香りスモーキー・レモン・はちみつ
スモーキー・ダークチョコレートを想わせるあたたかみのあるコク
フィニッシュ長くて繊細

ボウモア 15年

バーボン樽で12年間熟成させた原酒を、オロロソ・シェリー樽で3年間熟成。ウッディかつ甘美な味わいを実現している。度数43%

テイスティングノート

赤褐色
香りダークチョコレート・レーズン・スモーキー
ウッディネス・はちみつ・しなやかな甘み
フィニッシュ力強くあたたかい・かすかなシェリー

ボウモア 18年

「ボウモア」の特長であるシェリー樽に由来するスウィート感が際立つ、贅沢なモルト。フィニッシュまでこころゆくまで楽しめる。度数43%

テイスティングノート

マホガニー色
香りクリーミーなトフィー・完熟フルーツ・スモーキー
軽やかなスモーキー・フルーツ・チョコレート・柔らかな甘み
フィニッシュ長くバランスがよい

ボウモア 25年

ゆっくりと味わうためのウイスキー。北米のバーボン樽とスペインのシェリー樽で四半世紀にわたって熟成された絶妙にバランスの取れたモルト。43%

テイスティングノート

メロウマホガニー
香りボウモアのスモーキーさの痕跡を伴う、激しいシェリー酒と煮込みフルーツ
甘いピートスモークのほんの少しと一緒に織られたおいしいタフィーとヘーゼルナッツ
フィニッシュまろやかで優しく、信じられないほど複雑な仕上がり
ボウモアの海外ホームページより翻訳

終わりに

以上、ボウモア蒸溜所特集でした!

ボウモアのウイスキーは甘味が特徴的でピートの主張もそれほど強くないため、アイラ島のウイスキー初心者の方の入門としてピッタリだと思います。

まだ飲んだことがない方は是非一度試してみて下さい!
感想・コメントお待ちしています。

また、お会いしましょう!

乾杯!

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