お酒が好きな動物は人間だけではありません。ゾウはその巨大な体からお酒に強そうですが、実はアルコール代謝の遺伝子を持たないため、すぐに酔ってしまいます。以外にも身近で小さなあの動物が人間以上にお酒に強いんです。
ハムスターとお酒
自然界では、木の実などが木から落ちてしばらくすると、空気中にいる天然酵母により発酵し、アルコールとともにフルーティーないい香りを放つことで動物に運んでもらいやすくしています。そのような仕組みから自然界の動物もアルコールを口にする機会があり、アルコールの代謝能力を獲得していきました。
人間の祖先は地面に落ちた木の実などを集めて食料にする性質があったため、比較的アルコール代謝の能力が高く、逆にゾウなどの果実を拾い集める習性のない動物はアルコール代謝の能力が低くなっていったと考えられています。
自然界最強レベルのアルコール代謝能力を持つのはハムスターです。アラスカ大学が行った研究で、ハムスターは一日に体重1kgあたり18gのアルコールを摂取できることを発見しました。これは人間が95%のアルコールを1リットル半飲むのに相当します。
さらに面白いのが、水とお酒を同時に与えるとハムスターは好んでお酒の方を飲むそうです。これは、アルコールの代謝能力が高く、お酒の方がカロリーが高いため栄養補給の目的でお酒の方を好むのではないかと予想されています。
ハムスターなどのげっ歯類は種や木の実を巣穴にため込み、冬になると発酵したそれらを食べるという習性があるため、このような人間であれば死んでしまうような量のアルコールを代謝できる能力が獲得されたと考えられています。
酒豪に憧れる人もいるかもしれませんが、お酒をどれだけ多く飲めても何もいいことはありません。しょせんハムスター以下なんですから。
参考
『This critter is the animal kingdom’s heaviest alcohol drinker』
『Research Suggests Hamsters Have a Surprising Tolerance for Alcohol』
『You Have No Idea How Hard It Is to Get a Hamster Drunk』
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