グレンマレイ蒸留所特集!製法・歴史・種類の特徴を徹底解説!

スコッチ
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グレンマレイ蒸溜所の特徴

・年間生産量約230万リットル、ポットスチルは合計9基とスペイサイドでは大規模
・シャルドネやシュナンブランといった珍しい多種多様な樽を使用している
・基本的にノンピートのモルトを使用、2009年以降実験的にピートモルトも使用している

山々に囲まれて、極端な気候から保護されているため、年間の天使の分け前が2%以下

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グレンマレイ蒸溜所はどこにあるの?

グレンマレイ蒸溜所は、スコットランドの北東に位置するスペイサイド地方のエルギン町にあります。スペイサイド地方は大麦の生産地であり、燃料となる泥炭(ピート)も豊富であるため、ウイスキー造りに最適な土地です。

『Glen Moray(グレンマレイ)』はゲール語で『マレイの谷』という意味だそうです。

また、エルギンの年間平均気温は以下のグラフの通りで、年間を通して気温差が少ないとても穏やかな土地です。

データ元:NOAA

グレンマレイ蒸溜所の歴史について教えて!

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1830年から地元でエールビールを製造していたエルギンウェスト醸造所が、1897年の9月13日にウイスキーの生産を開始しました。地元の大麦のみを使用しており、原酒の熟成にはマルサラワイン樽やシェリー樽など、当時では非常に珍しい多種多様な樽を使用していました。

第一次世界大戦中は他の蒸溜所と同様、生産を停止していましたが、1920年に再び生産を開始しました。また、同年有名なワインと蒸留酒の商人であるMacdonald (マクドナルド)と Muir(ミュア)によって買収されました。

1950年代、近くのガロウクルックファームの購入、ポットスチルを2基増設、独自の麦芽設備を設置するなどして、生産量を2倍に増やしました。また、生産量の増加に伴い、熟成庫も新設しました。

1987年、週7日の体制で生産するようになり、年間200万リットルの生産量になりました。

1999年、シャルドネやシュナンブランといった白ワイン樽をフィニッシュに使用したウイスキーが発売されました。これは、多種多様な樽で熟成を行うという、創設当時の伝統や思いを再燃させました。

2014年には現在のクラシックシリーズが発売され、カベルネ・ソーヴィニョンやポートワイン、シェリー、シャルドネといった多種多様な樽を使用するグレンマレイの伝統が形になりました。

2016年、蒸溜所の設立120周年が近づくと、ヘリテージ(遺産)シリーズがhツバイされました。これは、マスターディスティラーによって注意深く見守られ、厳選された原酒から作られており、12年、15年、18年と熟成期間ごとに特徴が異なります。

2018年、探求心から、より珍しい樽を使用するという目的でキュリオシティ(好奇心)シリーズのプロジェクトが立ち上がりました。2019年にはラムアグリコール樽を使用したウイスキーが発売されるなど、好奇心旺盛なウイスキーファンは今後、要注目のシリーズです。

製法の特徴は?

ここからは、グレンマレイ蒸溜所での製法について詳しく解説します。

そもそもウイスキーの製造方法って何?という基本的な製法を知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

原料について

出典:glenmoray.com

原料の大麦は地元で栽培されているものを使用しています。
1978年までは、蒸溜所内でフロアモルティングを行っていましたが、現在はモルティング後のものを仕入れています。

また、ほとんどは泥炭(ピート)を使っていないノンピートの大麦を使用してますが、実験的にピートを使用した大麦も使用しており、2009年には初めてピーテッドの原酒を製造しました。

粉砕機について

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粉砕機は、50年以上使用されているローラミルを使用しています。
これにより、粉砕された大麦はグリストと呼ばれ、次の糖化の工程へ移ります。

糖化について

糖化槽(マッシュタン) 出典:Whisky.com
マッシュタンの中 出典:Whisky.com

グリストは、グレンマレイ蒸溜所のすぐそばを流れるロッシー川から採水した水と混ぜられます。

水は約64℃に加熱してから加えられ、大麦から糖分を溶け出させます。この過程でデンプンも大麦由来の酵素により糖に分解されます。糖化槽の中では、刃がゆっくりと回っており、糖分の溶出を促しています。

回収したものを「麦汁」と呼び、糖分を多く含んだ甘い液体になります。

発酵について

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麦汁は発酵槽へ移されると、酵母が添加されアルコール発酵が開始します。使用される発酵槽は一般的な蒸溜所に比べとても巨大なものを使用しています。
グレンマレイ蒸溜所では約65時間かけて発酵を行い、最終的にアルコール度数約8.7%のビールに似た液体になります。

発酵の過程で、酵母は様々な香味成分を作り、フルーティでフローラルなエステル化合物などを生成します。

蒸溜について

ウォッシュスチル 出典:Whisky.com
スピリットスチル 出典:Whisky.com

グレンマレイ蒸溜所は2回蒸溜を採用しており、初留用のウォッシュスチル(容量17000リットル)が3基と、再溜用のスピリットスチル(容量8000リットル)が6基の合計9基のポットスチルを使用しています。

発酵を終えた液はまずウォッシュバックに移され、最初の蒸溜が行われます。これによって得られる蒸溜液はローワインと呼ばれるアルコール度数約21%の無色透明な液体になります。

次にローワインはスピリットスチルへ運ばれ、2度目の蒸溜が行われます。この時回収される蒸溜液はミドルカットとよばれる方法で回収されます。蒸溜の最初の部分と最後の部分はカットされ、その間のハートと呼ばれる熟成に適した中間部分のみが回収されます。

再溜後に回収された蒸溜液はニューメイクまたはニューポットと呼ばれるアルコール度数約70%の液体になります。

樽詰めと熟成について

熟成庫 出典:Whisky.com

ニューメイクは樽に詰められると、熟成庫へ運ばれます。グレンマレイ蒸溜所では伝統的なダンネージ式の熟成庫を使用しており、樽は最高で3段までしか積まれません。

使用する樽は、一般的にはアメリカンオーク樽を使用しますが、グレンマレイは様々な種類の樽を使用し、異なる香りをウイスキーに与えます。

また、グレンマレイの熟成庫はウイスキーの熟成に最適な環境にあります。近くのケアンゴーム山とモナデリス山によって、極端な気候から守られており、ほかの地域に比べ温暖で安定した気候、湿度が高いなどすべてが、素晴らしい条件の中でウイスキーは熟成していきます。

おすすめ動画

以下にグレンマレイ蒸溜所の紹介をしている、おすすめの動画を貼っておきます。
動画の内容は英語なのですが、ここまでの記事を読まれた方なら英語が苦手な方でも十分楽しめる内容になっていると思います。なかなか行くことが難しいグレンマレイ蒸留所の疑似工場見学体験を楽しんでいただけたら幸いです。

おすすめ動画:Glen Moray Distillery Visit(YouTube)

グレンマレイ蒸溜所はどんなウイスキーを出しているの?

以下、紹介文・テイスティングノートなどはグレンマレイ蒸溜所のホームぺージより翻訳しています。

ヘリテイジ シリーズ
クラシック シリーズ

グレンマレイは、様々なシリーズを販売しています。ヘリテイジシリーズでは厳選された原酒のみを使用したシングルモルトを様々な熟成年数で商品化を、クラシックシリーズではシングルモルトを様々なカスクでフィニッシュしています。この中のいくつかをご紹介します。

グレンマレイ 12年

私たちは伝統を持ってウイスキーを造っています。 バニラとベリーの香りのバランスが美しく、この典型的なスペイサイドモルトは、120年にわたる専門知識をすべて反映しています。 それは、昔ながらのグレンマレイの方法で、ロッシー川のほとりで蒸留されます。 その後、このシングルモルトは、伝統的なスペイサイドの特徴を最大限に引き出すために、厳選されたアメリカンオーク樽で熟成されます。 シングルモルトファンに愛され、滑らかでフルーティーな表現は、業界最大の名前の1つグローバルエキスパートのジムマレー氏に評価されました。 彼は有名なウィスキーバイブルで90/100を受賞しており、グレンマレイ12年を「他のすべてのモルトでクリーンなスペイサイダーを試して味わうための測定棒」と表現しました。

テイスティングノート:

香りバニラタフィーとベリーフルーツの香りがあり、リッチで甘くフローラル。
トーストしたオーク、濃厚なダークフルーツ、クリーミーなトーストしたバニラ。
余韻スムーズで満足感。 甘いバニラとスパイスの効いたオークの素敵なバランスが、滑らかでバランスの取れた仕上がりを実現します。

グレンマレイ シェリーカスク フィニッシュ

深く複雑なシェリー樽の仕上げは、120年以上前に蒸留所が設立されて以来磨き上げてきた樽とのマリアージュに関する専門知識を豊かに示しています。 伝統的なスペイサイドスタイルのために、アメリカンオーク樽で原酒を熟成させることから始めます。 その後、ウイスキーの準備ができたら、スペインのヘレスのマスター蒸留所から供給されたオロロソシェリー樽でシングルモルトを数か月間仕上げます。 私たちのシングルモルトは、乾燥したフルーティー、ナッツ、スパイスの香りで満たされたシェリー樽から出てきて、長年のシングルモルトファンとウイスキーに不慣れな人々の両方に味わっていただけます。

テイスティングノート:

香り天日干しフルーツ、トーストしたシナモン、タフィーキャンディー。
甘いバニラオーク、ダークチョコレート、オリエンタルスパイス。
余韻口の中でチクチクする温かいスパイスとほろ苦いダークチョコレートを組み合わせて、長くリッチで満足感のあるフィニッシュを実現します。

グレンマレイ ポートカスク フィニッシュ

このより豊かで甘いグレンマレイは、さまざまな樽がウイスキーにもたらすさまざまなフレーバーを追究するという私たちの情熱を祝福しています。 クラシックなスペイサイドノートのためにアメリカンオーク樽で最初に熟成され、その後、世界一の港として有名なポルトクルスのポート樽で数ヶ月かけて慎重に仕上げられます。 時間が経つにつれて、これらの甘いポルトガルのワイン樽は、豊かな果実とまろやかなワインの香りでシングルモルトを豊かにし、ウイスキーに独特のバラ色の色合いを与えます。 軽くフルーティーでバランスの取れたポートカスクフィニッシュは、シングルモルト愛好家とウイスキー初心者の両方に楽しんでいただけます。

テイスティングノート:

香りトーストしたバニラ、ライトオーク、濃厚なドライフルーツ。
柑橘系のレモンの味でさわやかなスパイス。 シナモンのキャラメリゼした甘さ。
余韻甘くまろやかなワインとトーストしたオークのフレーバーが、滑らかでバランスの取れたフィニッシュを生み出します。

グレンマレイ シャルドネカスク フィニッシュ

シャルドネ樽は、この甘くてスパイシーなウイスキーに独特の強さをもたらします。 そして、このシングルモルトは私たちの実験的なスタイルの優れた例です。 伝統的なグレンマレイの方法でアメリカンオーク樽で最初に熟成され、その後、マスターディスティラーによって慎重に選択されたシャルドネ白ワイン樽で数ヶ月かけて仕上げられます。 これらの樽は、ウイスキーのクラシックなバニラの香りにトロピカルフルーツと温かいスパイスを重ね、この甘く親しみやすいドラムで最高潮に達します。

テイスティングノート:

香りスパイシーなリンゴと洋ナシ、ライムパイとシナモンシュガー。
キャラメリゼしたトロピカルフルーツ、微かに挽きたてのコショウと甘いバニラ。
余韻トロピカルフルーツとナッツのようなバニラフレーバーが組み合わさり、強烈で温かみのあるフィニッシュを実現します。

グレンマレイ 25年

独特のリッチでエレガントな25年の樽は、樽の熟成とマリアージュに関する深い専門知識のおかげで、その珍しい特徴を持っています。 このヴィンテージ限定版は、1994年に専任の職人チームによって最初に作成され、アメリカンオーク樽で長い眠りを始めました。 私たちの伝統的な倉庫の中で何年もの間、これらの樽はウイスキーに深いオークとバニラの香りをもたらしました。最後には、マスターディスティラーがポルトガルから慎重に調達した厳選されたポートカスクでウイスキーを仕上げました。 ここで、ヴィンテージは複雑さを増し、ダークチョコレートとフルボディのフレーバーの層を獲得しました。 グレンマレイの四半世紀の遺産を体現するこのシングルモルトは、ウイスキーの王冠の宝石です。

テイスティングノート:

香り非常に豊かでエレガント。 タフィーを混ぜたトロピカルフルーツ。 微かに生姜、甘草、ミント。
驚くほどリッチでフルボディ。 キャラメリゼしたドライフルーツ、スパイスの効いたオーク、ほんの少しのピートスモークを組み合わせて、素晴らしく複雑な味わいをお届けします。
余韻長く、 ダークチョコレートが溶けてベルベットのバニラスパイスになります。

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