フォアローゼス蒸留所特集!製法・歴史・種類の特徴を徹底解説!

アメリカン
出典:whisky.com

今回は、「4つの赤い薔薇」のトレンドマークで有名なアメリカのバーボンウイスキーフォアローゼス蒸溜所の歴史や製法を紹介します。

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フォアローゼス蒸溜所はどこにあるの?

フォアローゼス蒸溜所はアメリカのケンタッキー州のローレンスバーグにあります。

ケンタッキー州は石灰層(ライムストーン)が豊富にあり、この石灰層を通ってきた水、ライムストーンウォーターはウイスキーづくりの天敵である鉄分がほとんどなくバーボンづくりには欠かせないといわれています。

ローレンスバーグの年間平均気温は以下のようになっています。冬は氷点下を下回り夏は30℃を超えることが多々あります。年間を通して気温差が大きいため、ウイスキーの熟成も早く進むと考えられています。

データ元:NOAA

フォアローゼス蒸溜所の歴史について教えて!

1884年、ポール・ジョーンズjr.がケンタッキー州ルイビルに事務所を開設しました。4年後の1888年に「フォアローゼス」という名前を商標登録し、フォアローゼスの歴史が始まりました。

1920年~33年の間、アメリカでは禁酒法が施行されており、ほとんどの蒸溜所は生産を停止せざるを得なくなりました。しかし、フォアローゼス蒸溜所は「薬用酒」という扱いを受けて、生産を許された数少ない蒸溜所の一つでした。

1971年、日本でフォアローゼスの販売が開始されました。

2002年、キリンがフォアローゼスブランドの商標および生産施設を購入しました。

2018年、130周年を迎え、現在も広く愛されながらウイスキーを生産しています。

フォアローゼスの名前の由来

ある舞踏会で創設者のポール・ジョンズjr.は一人の女性に一目惚れをし、すぐさまプロポーズしました。彼女は「プロポーズをお受けするなら、次の舞踏会で薔薇のコサージュをつけてまいります」と答え、その日は分かれました。約束の舞踏会に日、彼女は4輪の薔薇の花を胸につけ現れたのでした。彼の愛が実ったのです。そんなエピソードから「FourRoses(4輪の薔薇)」という名前が付けらたと言われています。

製法の特徴は?

原料について

バーボンづくりいおいてもっとも大切だと言われているのがライムストーンウォーターです。ケンタッキー州に広く分布している石灰層によって鉄分が除かれ、その代わりにカルシウムが豊富に溶け込んだ硬水です。

鉄分は発酵の過程で嫌な香味や変色のもとになるためウイスキー作りの天敵です。逆にカルシウムは酵母の働きを活発にする効果があるため、このライムストーンウォーターはウイスキーづくりに最適な水なのです。

バーボンウイスキーは主にトウモロコシ・ライ麦・大麦を原料に作られます。また、アメリカの法律で「バーボンは原料にトウモロコシを51%以上使用すること」という条件があります。このような法律をもとに、各蒸溜所で独自の原料比率(マッシュビル)で仕込みを行います。

フォアローゼスでは以下の2種類のマッシュビルEとBを使い分けています。

E:トウモロコシ75%、ライ麦20%、大麦5%
B:トウモロコシ60%、ライ麦35%、大麦5%

ライ麦の比率が多くなると、スパイシーでフルボディなウイスキーになり、逆にライ麦の比率が少なくなると、ライトで柔らかい印象のウイスキーになります。

一般的にはバーボンウイスキーの蒸溜所は1種類のマッシュビルしか扱わないのですが、フォアローゼス蒸溜所は2種類のマッシュビルを使い分けることで、味の多様性を生み出しています。

粉砕機について

ハンマーミル 出典:whisky.com

厳正な検査を終えた原料は、ハンマーミルという機械を使い粉砕されます。
粉砕した穀物は、次の糖化の工程でライムストーンウォーターと混ぜられます。

糖化について

糖化槽 出典:whisky.com

粉砕された穀物は、糖化槽(マッシュ・タン)に運ばれます。
一般的なバーボンづくりでは、まず約100℃の水と粉砕したトウモロコシを混ぜえて、トウモロコシのデンプンを水に溶かします。次に約75℃に温度を下げてからライ麦を加え、最後に60℃付近に温度を下げてから大麦麦芽を加えます。

この温度と穀物を入れる順番は穀物の香りを最大限に生かすために非常に大切です。まず主原料のトウモロコシから効率よくデンプンを抽出するために100℃の水と混ぜます。もし、このときにライ麦や大麦も混ぜていたら、100℃という高温によってライ麦や大麦の好ましい香りが変性したり、飛んでしまいます。なので、次に75℃に温度を下げてからライ麦を加えます。この段階ではまだ大麦は加えません。なぜなら、大麦はこれらのデンプンを糖分に変える糖化酵素を豊富に含んでおり、その酵素の活性が一番高くなるのが60℃付近だからです。そういった理由で最後に60℃付近まで温度を下げてから大麦を加え糖化を進めます。

糖化を終えた液はマッシュと呼ばれ、次の発酵の工程へ運ばれます。

発酵について

発酵槽 出典:whisky.com

フォアローゼス蒸溜所では、木製の発酵槽とステンレス製の発酵層を使っています。
発酵層に移されたマッシュは酵母を添加され、約4日間かけて糖分をアルコールへと代謝する発酵が行われます。発酵過程では、発酵を効率よく行うために温度を32.2℃に保つようにしてあります。また、フォアローゼス蒸溜所の最大の特徴は、酵母を5種類使い分けていることです

それぞれ、以下のような、特徴の異なる酵母を使っています。

V:繊細なフルーツ
O:リッチなフルーツ
F:ハーブ系の香り
K:わずかなスパイス
Q:花の香り(フローラル)

また、2種類のマッシュビルEとBの組み合わせで

EV,EO,EF,EK,EQ
BV,BO,BF,BK,BQ

の合計10種類もの発酵液を作り分けています。
このように多様な原酒を作り分けることにより、フォアローゼス蒸溜所のウイスキーは複雑な味と香りを実現しています。

蒸溜について

連続式蒸溜機(ビアスチル)出典:whisky.com
ダブラー 出典:whisky.com

発酵を終えると、次は蒸溜の工程です。
まず、ビアスチルと呼ばれる10数メートルもある連続式蒸溜機で蒸溜されます。ビアスチルによって蒸溜されると、アルコール度数約66%の蒸溜液になります。この段階ですでに、アルコールはかなり精製されているのですが、わずかに不純物(好ましくない香りなど)が含まれているため、ダブラーと呼ばれる機械で再度蒸溜します。

ダブラーによって蒸溜されると、アルコール度数約69~70%のより純粋でクリーンな味の蒸溜液になります。蒸溜液は一度タンクに運ばれ、品質をチェック後、樽に詰められます。

樽詰めと熟成について

約69~70%の蒸溜液は、度数60%まで加水されてから樽詰めされます。

樽はアメリカのバーボンウイスキーの法律に従って、「新品の、内側を炭化皮膜処理したアメリカンホワイトオーク樽」を使用します。

蒸溜液を詰めた樽はラック式の熟成庫へ運ばれます。熟成庫は上部と下部では約8℃の温度差があります。また、ケンタッキー州の気候により、夏は30℃、冬は最低-20℃と年間を通して約50℃もの温度差が生まれるため、熟成は比較的早く進みます。

通常5~8年、長いものだと10年以上の熟成期間を経て、原酒はブレンドされ出荷されます。

おすすめ動画

以下にフォアローゼス蒸溜所の紹介をしている、おすすめの動画を貼っておきます。
動画の内容は英語なのですが、ここまでの記事を読まれた方なら英語が苦手な方でも十分楽しめる内容になっていると思います。なかなか行くことが難しいフォアローゼス蒸留所の疑似工場見学体験を楽しんでいただけたら幸いです。

おすすめ動画:Whiskey Distillery Tour: Four Roses(YouTube)

フォアローゼス蒸溜所はどんなウイスキーを出しているの?

以下、紹介文・テイスティングノートなどはフォアローゼスの日本版ホームぺージより引用(一部英語版ホームページより筆者訳)しています。

フォアローゼス

出典:kirin.co.jp

原料にこだわり、酵母にこだわり、そして技にこだわった、
香りと個性の異なる10種の原酒を絶妙なバランスでブレンドして生まれる「薔薇のバーボン」。

スペック
熟成年数:5年
度数:40%
使用してるマッシュビルと酵母の組み合わせ*:10種すべて
*上記の「発酵について」参照

テイスティングノート

香りフルーツ、フローラル、やわらかなスパイスと蜂蜜の香り。
味わいすっきりと柔らかでなめらかな味わい、フレッシュフルーツ、ほのかな洋梨とアップルの味わい
フィニッシュ柔らかく心地の良い長さの余韻。

フォアローゼス ブラック

出典:kirin.co.jp

個性あふれる香りをもった原酒を選び抜き、やや長めの熟成にこだわったフォアローゼズの上級ラベル。

テイスティングノート

香りまろやかなスパイス、オークが醸し出す柔らかな甘さとキャラメルのほのかな香り。
味わい芳醇で柔らかな味わい、ナツメグやシナモンのほのかなスパイス感。
フィニッシュ柔らかくなめらかに続く心地の良い長めの余韻。

フォアローゼス プラチナ

出典:kirin.co.jp

時間をおしみなくかけ熟成させた限りある原酒だけを贅沢に使って生まれるフォアローゼズのスーパープレミアム。複雑な味わいが驚くほどに洗練されたとろけるようなバーボン。

テイスティングノート

香りスパイスの複雑な香りと洋梨、バニラの香り。
味わい完熟したプラムとチェリーが柔らかく調和したフルボディの味わい。
芳醇なオーク感、キャラメルを感じさせる。
フィニシュ重厚でとろけるような長い余韻。

フォアローゼス シングルバレル

出典:kirin.co.jp

テイスティングして厳選した1種の原酒だけを一樽ずつボトリング。複雑で力強いボディを持つと同時に柔らかく芳醇な味わいが調和する熟成した樽の個性をじっくりとお楽しみください。

スペック
熟成年数:7-9年
度数:50%
使用してるマッシュビルと酵母の組み合わせ*:BV
*上記の「発酵について」参照

テイスティングノート

香りスパイスの複雑な香り、洋梨、カカオ、バニラとメープルシロップの香り。
味わい完熟したプラムや様々なチェリーの個性が響きあう重厚で芳醇な味わい。
フィニッシュ繊細でなめらかな長い余韻。

フォアローゼス スモールバッチ

スペック
熟成年数:6-7年
度数:45%
使用してるマッシュビルと酵母の組み合わせ*:BK,BO,EK,EO
*上記の「発酵について」参照

テイスティングノート

香りまろやかなスパイス、豊かな果実、ほのかに甘いオークとキャラメルの香り。
味わい完熟した赤い果実、乾燥したスパイス、バランスがとれたリッチな味わい。
フィニッシュ柔らかく、滑らかで、心地の良い長さの余韻。

終わりに

以上、フォアローゼス蒸溜所特集でした!

ウイスキー蒸溜所では珍しい、5種類もの酵母を多様に使い分けているのがすごく興味深いです。
生物学などが急激に発展してきた現代、酵母や乳酸菌にこだわりを見せる蒸溜所が増えてくるのではないでしょうか。

今後のウイスキー業界が楽しみです。

また、お会いしましょう!

乾杯!

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