タリバーディン蒸留所特集!製法・歴史・種類の特徴を徹底解説!

スコッチ
タリバーディン蒸溜所の特徴

・フローラル、フルーティ、クリーミーな香味が特徴的。
・蒸溜所の歴史は、1488年のビール醸造所の時代から続いている。
・糖化後のドラフト(搾りかす)はエナジープラントへと売却され、天然ガスの生産に利用される。
・発酵時、泡切機を設置する代わりに液面上部に十分なスペースを設けることで、なるべく自然な状態で発酵を行うようにしている。
・2011年以降運営を引き継いだ会社がもともとワインを扱っていたため、ソーテルヌ樽、バーガンディ樽などの最高級のワイン樽を熟成に使用している。

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タリバーディン蒸溜所はどこにあるの?

タリバーディン蒸溜所は、スコットランドの首都エジンバラの近郊にあるブラックフォードに建てられています。ブラックフォードはハイランド地方に分類されます。

蒸溜所の名前「Tullibardine(タリバーディン)」はゲール語で「丘の上の荒地」という意味です。また、ブラックフォードの年間平均気温は以下のグラフのとおりで、夏は涼しく短く、冬は寒く長いスコットランドらしい気候です。

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タリバーディン蒸溜所の歴史について教えて!

James 4th(ジェームズ4世)が地元の醸造所からビールを購入するためにブラックフォードに立ち寄ったとき、1503年に醸造所は、その素晴らしいビール生産のためにジェームズ4世から最初の勅許状を授与されました。

この醸造所の建物は、1947年にWilliam Delme Evans(ウィリアム・デルメ・エバンス)によってタリバーディン蒸留所に改造され、1949年に最初の蒸溜が行われました。

Brody Hepburn(ブロディ・ヘプバーン)は1953年にタリバーディン蒸溜所を購入しましたが、1971年にInvergordon Distillersによって買収されました。同社は蒸留器の数を2倍にして容量を増やし、「タリバーディン」というブランドを有名にしました。

タリバーディンが1993年にWhyte&Mackyに買収されてから、わずか1年で蒸溜所は一時閉鎖しました。そこからタリバーディンが民間コンソーシアムに110万ポンドで買収されてから生産が再開されるまで、ほぼ10年かかりました。

2011年以来、この蒸留所は、ウイスキーブランドのハイランドクイーンをすでに手がけていたフランスのワインとスピリッツのグループ、Picard Vins & Spiritueuxが所有しています。

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製法の特徴は?

原料について

タリバーディン蒸溜所では大麦麦芽(モルト)100%でウイスキーを生産しています。

また、仕込み水はOchil Hills(オチル丘)から供給されるDanny Burn(ダニー川)の水を使用しています。オチル丘周辺は玄武岩と砂岩の層で形成されており、それらの層が自然のフィルターの役割をして、スコットランドでも随一の新鮮できれいな最高品質の水を作り出します。

粉砕機について

出典:Whisky.com

モルトは糖化のために粉砕されます。タリバーディン蒸溜所では一般的なローラ式の粉砕機を使用しており、これによって粉砕されたモルトはグリストと呼ばれます。

グリストはその粒の細かさから、グリッツ(中間)、フラワー(細)、ハスク(粗)の3段階に分けられるのですが、この割合が今後のウイスキーの製造に大きく影響するため、細かく粉砕機の設定が調整されています。

グリストは次の糖化の工程へ移ります。

糖化について

グリストは糖化槽(マッシュ・タン)へ運ばれ、加熱された水と混ぜられます。温度の高い水と混ぜることで、糖分とデンプンを溶出させ、このとき大麦由来の酵素の力を使ってデンプンを糖に分解します。

タリバーディン蒸溜所では、容量6トンのマッシュタンを使用しています。

一般的に、加えられる水は一回目は大麦由来の酵素がもっとも活性しやすい約65℃程度に加熱されてから、グリストと混ぜられます。この時、中にある撹拌機がゆっくりと回ることで、糖分の溶出を促します。

糖分が溶け出た麦汁またはウォートと呼ばれる液を回収すると、次は約78℃と1回目よりも高い温度の水と混ぜられ、できるだけ糖分を回収します。3回目はさらに高い温度のお湯と混ぜます。3回目に回収した麦汁は糖分が少ないので次の1回目の糖化の際に使用されます。

3回目の糖化を終えて、マッシュタンの中に残った絞り後のモルトは近くのエナジープラントへ売却し、そこで天然ガスの生産に使用されます。

発酵について

麦汁は発酵槽(ウォッシュバック)に運ばれると、酵母を添加され発酵が開始します。

タリバーディン蒸溜所でステンレス鋼の発酵槽を9基使用しています。発酵時間は最低でも52時間行われ、この過程で酵母が糖をエタノールと二酸化炭素に分解します。発生する二酸化炭素で発酵液は激しく泡立つため、通常は泡切機を液面上部に設置して泡が溢れないようにするのですが、タリバーディン蒸溜所では液面上部に十分なスペースを設けることで、泡切機を使用せずになるべく自然な状態で発酵させています。

発酵を終えると、最終的にウォッシュと呼ばれるアルコール度数約8%のビールに似た液体になります。

蒸溜について

左2基がウォッシュスチル、右2基がスピリットスチル 出典:Whisky.com

タリバーディン蒸溜所は2回蒸溜を採用しており、初溜用のウォッシュスチル(容量21500リットル)が2基と、再溜用のスピリットスチル(容量16200リットル)が2基の合計4基のポットスチルを使用しています。

スピリットスチル(写真右)はネックの部分が膨らんでおり、これによって銅との接触面積が増え、銅の触媒反応により望ましくない香味成分が抑えられます。また、蒸気が再び液体になりポットスチルに戻ってくる、逆流の量も増えるため、フルーティでモルティな原酒になるのが特徴です。

ウォッシュはまずウォッシュバックに移され、最初の蒸溜が行われます。これによって得られる蒸溜液はローワインと呼ばれるアルコール度数約21%の無色透明な液体になります。

次にローワインはスピリットスチルへ運ばれ、2度目の蒸溜が行われます。この時回収される蒸溜液はミドルカットとよばれる方法で回収されます。蒸溜の最初の部分と最後の部分はカットされ、その間のハートと呼ばれる熟成に適した中間部分のみが回収されます。

2回目の蒸溜後に回収された蒸溜液はニューメイクまたはニューポットと呼ばれるアルコール度数約70%の液体になります。

樽詰めと熟成について

出典:Whisky.com

樽に詰められたニューメイクは熟成庫へと運ばれます。

蒸溜所は伝統的な熟成庫を使用しています。石でできた壁に樽は4段までと、あまり高く積まれません。熟成庫の中は湿度や温度がほぼ一定でゆっくりと熟成させるのに向いています。

また、タリバーディン蒸溜所が熟成に使用する樽は多種多様で、バーボン樽、ワイン樽、マルサラ樽、ソーテルヌ樽、バーガンディ樽などです。これらの多種多様な樽は、2011年以降蒸溜所を運営しているPicard Vins & Spiritueux社がもともとワインを扱っていたため、最高級の樽を用意できたという背景があります。

おすすめ動画

以下にタリバーディン蒸溜所の紹介をしている、おすすめの動画を貼っておきます。
動画の内容は英語なのですが、ここまでの記事を読まれた方なら英語が苦手な方でも十分楽しめる内容になっていると思います。なかなか行くことが難しいタリバーディン蒸留所の疑似工場見学体験を楽しんでいただけたら幸いです。

おすすめ動画:Tullibardine Distillery Visit(YouTube)

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タリバーディン蒸溜所はどんなウイスキーを出しているの?

以下、紹介文・テイスティングノートなどはタリバーディン蒸溜所の商品紹介ページより翻訳しています。

タリバーディン ソブリン

タリバーディン ソブリンは、ファーストフィルの元バーボン樽で熟成されています。 フローラルでスウィートな大麦の香りとほのかにバニラの香り、美しく黄金色になっています。 余韻には、ファッジ、洋ナシのしずく、柔らかなスパイスがあります。

タリバーディン ソーテルヌ カスク フィニッシュ

タリバーディン ソーテルヌ カスクフィニッシュはファーストフィルの元バーボン樽で熟成され、225リットルのソーテルヌ樽で仕上げられた素晴らしくリッチなウイスキーです。 この美しく黄金色のタリバーディンは、バニラとオートミールの香りと微かに柑橘系のライムの香りがあります。 味わいには、トロピカルパイナップルとオレンジの皮のタッチがあり、余韻はクリーミーです。

タリバーディン バーガンディ カスク フィニッシュ

タリバーディン バーガンディ カスク フィニッシュの赤褐色の色合いは、ワイン醸造社シャサーニュモンラッシェからピノノワールを熟成させていた228リットルの樽で後熟させた時間から直接来ています。 このウイスキーの特徴的な香りは、チョコレートとターキッシュ・デライト、赤いサクランボとバニラです。 味わいには、赤い夏の果実味、チョコレート、そして余韻には甘いスパイスの香りがあります。

タリバーディン シェリー カスク フィニッシュ

タリバーディン シェリー カスク フィニッシュはファーストフィルの元バーボン樽で熟成され、その後500リットルのスペインのシェリー樽で後熟されたことにより、このナッツのような茶色の色を与えます。 僅かにオートミールの香りを伴う強いトフィーアップルの香りがあり、これらの香りは、その後、粘性のあるスパイシーな香りと甘いデーツの余韻になります。

タリバーディン 20年

ファーストフィルの元バーボン樽で最低20年間熟成されたこのリッチなウイスキーは、美しくフローラルで、バニラ、ハニー、バタースコッチの香りが心地よくバランスが取れています。 味わいは、これらの美しく熟成したフレーバーを、リッチでクリーミーな焼きりんごとチョコレートが組み合わさり、信じられないほど長く柔らかな余韻で仕上げます。

タリバーディン 25年

このウイスキーは、元シェリー酒のホッグスヘッド樽で最低25年間熟成されました。 赤、オレンジ、茶色の素晴らしい色合いで美しく熟成されています。 驚くべきことに、この時代のウイスキーには、オークの香りはまったく現れません。香りは、微かなバニラ、トフィー、オレンジチョコレートをすぐに見つけることができます。味わいは、焼きたてのバナナ、オレンジの皮、そして長くてクリーミーでシルキーな余韻で口を満たしてくれます。

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