ノッカンドゥ蒸留所特集!製法・歴史・種類の特徴を徹底解説!

スコッチ
出典:whisky.com
ノッカンドゥ蒸溜所の特徴

・世界で2番目の売り上げを記録しているブレンデッドウイスキーJ&Bに使用されている。
フルーティーな香り・味が特徴
・生産量の10%しかシングルモルトとして販売しておらず、残りはJ&Bやスペイロイヤルなどのブレンデッドに使用されている。
・年間生産量130万リットルと比較的少なめ。

ノッカンドゥ蒸溜所はどこにあるの?

ノッカンドゥ蒸溜所は、スコットランドの北東に位置するスペイサイド地方のスペイ川中流にあるノッカンドゥ村にあります。スペイサイド地方は大麦の生産地であり、燃料となる泥炭(ピート)も豊富であるため、ウイスキー造りに最適な土地です。

蒸留所の名前「Knockando(ノッカンドゥ)」はゲール語の「Cnoc-an-dhu」に由来し、これは「小さな黒い丘」を意味します。

また、ノッカンドゥの年間平均気温は以下のグラフのとおりで、年間を通して気温差が少ない穏やかな土地です。

ノッカンドゥ蒸溜所の歴史について教えて!

ノッカンドゥ蒸溜所は19世紀の終わりごろに起こったウイスキーブームの一環として設立されました。

1898年にJohn Thompson(ジョントンプソン)によって設立され、ノッカンドゥ-グレンリヴェット蒸留所会社によって管理されていました。 蒸溜所は高く評価されているウイスキー建築家のチャールズ・ドイグがデザインしました。

設立の翌年、1899年に生産が開始されましたが、ちょうど10か月後ウイスキーバブルが崩壊し、閉鎖を余儀なくされました。

ジンの生産社であるW & A Gilbyが1904年に蒸溜所を買い取るまで生産は中止しており、同年の後半に生産が再開しました。W & A Gilbyの管理のもと、ノッカンドゥ蒸溜所は成功をおさめ、1969年にはポットスチルを2基から4基に増設し、生産能力が2倍になりました。

1997年、当時の管理会社が合併しディアジオ社を設立しました。現在、同社が蒸溜所の管理を続けています。

製法の特徴は?

原料について

ノッカンドゥ蒸溜所はわずかにピートの効いた大麦麦芽(モルト)を原料としており、1968年までは自社でフロアモルティング(麦芽工程)を行っていましたが、現在ではフロアモルティングは閉鎖され、ディアジオ社が管理しているモルティング会社から仕入れています。

また、仕込み水は蒸溜所の近くにあるCardnach(カードナッホ)から採水しています。

粉砕機について

仕入れたモルトは糖分を回収しやすいように粉砕されます。粉砕されたモルトはグリストと呼ばれ、次の糖化の工程へ移ります。

糖化について

出典:whisky.com

グリストは糖化槽(マッシュ・タン)へ運ばれ、加熱された水と混ぜられます。温度の高い水と混ぜることで、糖分とデンプンを溶出させ、このとき大麦由来の酵素の力を使ってデンプンを糖に分解します。

一般的に、加えられる水は一回目は大麦由来の酵素がもっとも活性しやすい約65℃程度に加熱されてから、グリストと混ぜられます。この時、中にある撹拌機がゆっくりと回ることで、糖分の溶出を促します。

糖分が溶け出た麦汁またはウォートと呼ばれる液を回収すると、次は約78℃と1回目よりも高い温度の水と混ぜられ、できるだけ糖分を回収します。3回目はさらに高い温度のお湯と混ぜます。3回目に回収した麦汁は糖分が少ないので次の1回目の糖化の際に使用されます。

発酵について

麦汁は発酵槽(ウォッシュバック)に運ばれると、酵母を添加され発酵が開始します。

ノッカンドゥ蒸溜所では木製のウォッシュバックを使用しており、ここに19℃の温度で麦汁が投入され、46時間の発酵によって33℃まで上昇します。

発酵を終えると、最終的にウォッシュと呼ばれるアルコール度数約8%のビールに似た液体になります。

蒸溜について

奥が2つがウォッシュスチル、手前がスピリットスチル出典:whisky.com

ノッカンドゥ蒸溜所は2回蒸溜を採用しており、初溜用のウォッシュスチル(容量10800リットル)が2基と、再溜用のスピリットスチル(容量7000リットル)が2基の合計4基のポットスチルを使用しています。

ウォッシュスチルは特徴的な形をしており、一般的なウォッシュスチルよりヘッドの部分が広い円錐形をしており、これにより逆流の量の増加と、ポットスチルとの接触面積が増え、よりクリーンな原酒になります。

ウォッシュはまずウォッシュバックに移され、最初の蒸溜が行われます。これによって得られる蒸溜液はローワインと呼ばれるアルコール度数約21%の無色透明な液体になります。

次にローワインはスピリットスチルへ運ばれ、2度目の蒸溜が行われます。この時回収される蒸溜液はミドルカットとよばれる方法で回収されます。蒸溜の最初の部分と最後の部分はカットされ、その間のハートと呼ばれる熟成に適した中間部分のみが回収されます。

再溜後に回収された蒸溜液はニューメイクまたはニューポットと呼ばれるアルコール度数約70%の液体になります。

樽詰めと熟成について

ノッカンドゥの熟成庫 出典:whisky.com

樽に詰められたニューメイクは熟成庫へと運ばれます。

ノッカンドゥ蒸溜所には、ダンネージ式とラック式の両方を組み合わせた5つの熟成庫があります。また、熟成に使用する樽はシェリー樽とオーク樽を組み合わせています。

ノッカンドゥ蒸溜所では着色剤を一切使わないことにこだわりを持っており、熟成のピークに達した樽を厳選して瓶詰を行っています。

ノッカンドゥ蒸溜所はどんなウイスキーを出しているの?

以下、紹介文・テイスティングノートなどはノッカンドゥの商品紹介ページより翻訳しています。

ノッカンドゥ 12年

特にフルーティーで繊細なスペイサイド。 花のような、ナッツのような、わずかにスモーキーな香りの滑らかで複雑な層。水と1つまたは2つの角氷を入れた伝統的なウイスキーグラスでお召し上がりください。

テイスティングノート:

淡い琥珀色。
ボディ軽いボディと口当たり。
香りフルーティーフローラル。最初はスグリ、ブラックカラントのほのかな香り。背景に灰やチャーがあり(焦げた茶色のトースト?)、しばらくすると湿ったリネンが残ります。 加水はシリアルの香り(主にトウモロコシ)といくつかの肉の香りをもたらします。 徐々には焦げた紙に変わっていきます。
軽い口当たり、心地よい甘さ、軽くドライ、微かに酸味があります。
余韻比較的短い。 クリーンで飲みやすい。

ノッカンドゥ 15年

シェリー樽とバーボン樽で少し長く熟成し、豊かでフルーティー、ナッツのような味わいで有名です。水と1つまたは2つの角氷を入れた伝統的なウイスキーグラスでお召し上がりください。

テイスティングノート:

琥珀色。
ボディ強烈でシルキー。
香り表現力豊かで強烈。 焼きたての果物は、ダークチョコレートとシェリーで強調されたシナモンやナツメグなどの甘いスパイスですぐに熱くなります。 ウッディとトーストした香り。
強烈なフルーティーな香り、焼きりんご、レーズン、そして暖かくて寛大なウッディとシェリーの香り。
余韻木の香りと甘いスパイスの長いフィニッシュ。

ノッカンドゥ 18年

ノッカンドゥ18年はオーク樽でゆっくりと熟成し、アロマとフレーバーの両方で楽しめます。

テイスティングノート:

淡い琥珀色。
ボディ口いっぱいのボディ。
香りシンプルで魅力的。 深みのある豊かな果実、熟したプラム、缶詰の洋ナシ、缶詰のマンダリンオレンジ。しばらくすると、ソフトバニラファッジ。 加水で、フルーティーさのなかに酸味がでてきます。 キャラメリゼしたブラウンシュガー、ビスケット。
軽い口当たり、心地よい甘さ、軽くドライ、微かに酸味があります。
余韻中間的な長さ。 暖かく滑らか。

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