各国のウイスキーの定義・法律

記録ノート

ウイスキーと一口にいっても、各国でその定義が違います。それぞれ、「ウイスキー」と商品に表示するための条件が法律により決まっています。
今回は特にウイスキー5大生産国である、スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、日本のウイスキーの定義について紹介します。

スコットランドのウイスキーの定義

・水とイースト菌、大麦と麦芽のみを原料にする(これに他の穀物の全粒のみ加えることができる。)
・スコットランドの蒸溜所で、糖化、発酵、蒸溜を行う
・アルコール度数94.8以下で蒸溜
・容量700リットル以下のオーク樽で熟成させる
・スコットランドの保税倉庫で最低3年間熟成させる
・水と無味カラメル着色料以外の添加物を加えない
・アルコール度数40%以上で瓶詰めする

アイルランドのウイスキーの定義

・穀物を原料とする
・大麦に含まれる酵素によって糖化させる
・酵母によって発酵させる
・アルコール度数94.8以下で蒸溜
・容量700リットル以下の木製樽で熟成させる
・アイルランドまたは北アイルランドの倉庫で最低3年間熟成させる

アイルランドの法律はスコットランドのものと比べて、やや緩くなっています。

アメリカのウイスキーの定義

・穀物を原料とする
・アルコール度数95%以下で蒸溜
・オーク樽で熟成させる(ただし、コーンウイスキーは熟成不要)
・アルコール度数40%以上で瓶詰めする

以上の4つの条件を満たせばアメリカではウイスキーと名乗れるのですが、バーボンやテネシーウイスキー、コーンウイスキーなどの特定のウイスキーを名乗るには、それぞれ別の法律で決められています。

バーボン・ウイスキー:
・原料の51%以上がトウモロコシである
・アルコール度数80%以下で蒸溜
・内側を炭化皮膜化処理(焦がした)した新品のオーク樽で熟成させる
・62.5%以下で樽詰めする
・2年以上熟成させたものは”ストレート”バーボンウイスキー
・熟成期間が4年未満の場合はラベルに熟成年数を表記する

テネシー・ウイスキー:
・上記バーボンウイスキーの定義を満たしている
・テネシー州で生産されている
・サトウカエデの木から作った炭で濾過処理をしている(チャコール・メローイング)

コーンウイスキー:
・原料の80%以上がトウモロコシである
・アルコール度数80%以下で蒸溜
・熟成させる場合は、古樽もしくは内側を焦がしていない樽を使用する

ライウイスキー:
・原料の51%以上がライ麦である
・アルコール度数80%以下で蒸溜
・内側を炭化皮膜化処理(焦がした)した新品のオーク樽で熟成させる
・62.5%以下で樽詰めする
・2年以上熟成させたものは”ストレート”ライウイスキー

ホイート(小麦)ウイスキー、モルト(大麦麦芽)ウイスキー、ライモルト(ライ麦芽)ウイスキーは上記のライウイスキーの定義をそれぞれの穀物に変えたもの。

カナダのウイスキーの定義

・穀物を原料とする
・麦芽に含まれる酵素によって糖化させる
・酵母によって発酵させる
・カナダ国内で糖化、発酵、蒸溜を行う
・容量700リットル以下の木製樽で熟成させる
・カナダの倉庫で最低3年間熟成させる
・アルコール度数40%以上で瓶詰めする
・カラメルやフレーバリングが可能

日本のウイスキーの定義

・穀物および水を原料とする
・発芽させた穀物に含まれる酵素によって糖化させる
・アルコール度数95%未満で蒸溜
・上記の酒類が総量の10%未満にならない範囲で、アルコール、スピリッツ、香味料、色素を加えることができる。(ただし、白樺の炭で濾過したものは除く)
・蒸溜の際、ほかの物品の成分を浸出させたものは除く

日本では、熟成させていなかったり、醸造アルコールが90%も加えられたとしてもウイスキーと名乗れてしまいます。

他の国が「ウイスキーの品質を確保するための法律」なのに対し、日本の法律は「酒税上の分類」という側面が非常に強いです。

これは、日本でウイスキーの文化ができたのが比較的最近であるためだと考えられます。

ほとんどの日本の蒸溜所は「スコットランド国内で生産する」以外のスコットランドのウイスキーの条件を満たせるレベルで生産していますが、中にはスコットランドではとてもウイスキーと呼べないような製品を出しているものもあります。

今後、日本のウイスキーの品質を確保するために、諸外国の法律をもとに日本でも品質を優先した法律ができるといいですね。

コメント

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