カリラ蒸留所特集!製法・歴史・種類の特徴を徹底解説!

スコッチ
出典:whisky.com

カリラ蒸溜所はどこにあるの?

カリラ蒸溜所は、スコットランドのアイラ島にあります。
アイラ島では8つの蒸溜所が現在稼働しており、ウイスキーの聖地とまで言われることもあるほどの島です。

「カリラ(Caol Ila)」とはゲール語で「アイラ海峡」という意味で、Caolが海峡、Ilaがアイラ島を意味しています。アイラ島とジュラ島の海峡近くに建てられたため、この名が付きました。

アイラ島の年間平均気温は以下のグラフのとおりで、年間を通して気温差がとても少ない場所です。夏は20℃を超えることが珍しく、冬は雪が滅多に見られない、日本に比べ比較的穏やかな気候です。

データ元:NOAA

カリラ蒸溜所の歴史について教えて!

1846年、グラスゴー蒸溜所のオーナーであるヘクター・ヘンダーソンがカリラ蒸溜所を創設しました。

1863年、グラスゴーのトレーダー、Bulloch Lade & Coがカリラを買収し、当時のブレンデッドウイスキーブームにより、事業は順調でした。

1879年、蒸溜所が改装され、規模が拡大しました。

1920年、Bulloch Lade & Coが倒産し、蒸溜所はCaol Ila Distillery & Co.によって運営されました。

1927年、Distillers Company Ltd(DCL)の傘下に加わりました。

1930年、操業を停止しましたが、1934年から生産を再開しました。

1941年、第二次世界大戦により、人員と大麦が制限されたため終戦の1945年まで操業を停止しました。

1972~4年、生産体制を拡張し、当時は2基だけだったポットスチルを6基に増築し、現在ではアイラ島最大の生産能力になりました。

1997年、ジョニーウォーカーを生産しているディアジオの傘下になり、これは現在まで続いています。

2001年、これまではブレンデッドウイスキー用の生産が主でしたが、この年からシングルモルトの販売を開始しました。

製法の特徴は?

原料について

ナムバン湖 出典:geograph

カリラ蒸溜所は仕込み水に、ナムバン湖という蒸溜所から約1.5km離れたところの水を使用しています。ナムバン湖の水は石灰岩を通ってきた非常にピート色の濃い軟水です。

原料は、大麦100%のシングルモルトです。
大麦は1974年から、アイラ島のポートエレンという精麦業者(モルトスター)から買い付けています。

大麦はピートによってスモーキーな香りが付けられており、その度合いは約38ppmとアイラ島にあるラガヴーリン蒸溜所と同程度です。

粉砕機について

カリラ蒸溜所には粉砕機が1基あります。
この粉砕機は一週間あたり、約300トンもの大麦を粉砕するのに使用されます。

粉砕された大麦はグリストとよばれ、ピートの風味のあるナムバム湖の水と混ぜられ糖化に移ります。

糖化について

糖化槽は容量約12トン、直径約5.5mもあり、これを中にある撹拌機で5時間半撹拌し続けます。

グリストはまず、糖化酵素が最も働きやすい約64℃に加熱されたナムバム湖の仕込み水と混ぜられます。糖分が水に溶けだすと、いったん糖化液を回収し、次は約84℃の水を再度加え、できるだけ糖分を回収します。

発酵について

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カリラ蒸溜所には木製の発酵槽(ウォッシュバック)が8基あります。それぞれ容量は57000リットルです。木製のウォッシュバックはステンレス製に比べ、管理がしにくいというデメリットがありますが、甘いエステル香の風味を与えてくれること、保温効果が高いこと、木にその蒸溜所特有の酵母や乳酸菌が住み着き独自の風味をもたらしてくれることなど多くのメリットがあります。

発酵槽に移された糖化液は酵母が添加され、約45~55時間かけて発酵が行われます。

発酵を終えるとアルコール度数約9%のウォッシュと呼ばれるビールに似た液体になります。

蒸溜について

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蒸溜器は全部で6つあります。3つは初留用のストレートヘッド型のウォッシュスチルで、残り3つが再溜用のスピリットスチルです。ウォッシュスチルは容量約19000リットル、スピリットスチルは約12000リットルです。

ウォッシュスチルによって蒸溜されるとアルコール度数約24%のローワインと呼ばれる無色透明の液体になります。これを、次はスピリットスチルに移し、再度蒸溜します。この時の蒸溜液はミドルカットと呼ばれる工程によって中間部分のみを樽詰めし、熟成に使用します。ミドルカットとは、ヘッドと呼ばれる蒸溜初期の液と、テールと呼ばれる蒸溜後半の液体をカットし、熟成に適したハートと呼ばれる中間部分のみを回収する操作です。これは、ヘッドにはメタノールなどの有害な物質や好ましくない香味が含まれていたり、テールも同様に好ましくない香味やアルコール度数が低下するなどの理由でカットされます。ミドルカットのタイミングは蒸溜所が目指すウイスキーによって違います。

樽詰めと熟成について

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カリラ蒸溜所には3階建ての熟成庫がありますが、現在ではカリラ蒸溜所で生産した原酒はすべてグラスゴーへ送られ、そこで熟成されます。また、使用する樽はバーボン樽がほとんどで、シェリー樽で熟成されるものも少量あります。

この熟成の過程で、樽からの香味が原酒にもたらされたり、逆に好ましくない「未熟成香」が消失するためにとても大切な工程です。

おすすめ動画

以下にカリラ蒸溜所の紹介をしている、おすすめの動画を貼っておきます。
動画の内容は英語なのですが、ここまでの記事を読まれた方なら英語が苦手な方でも十分楽しめる内容になっていると思います。なかなか行くことが難しいカリラ蒸留所の疑似工場見学体験を楽しんでいただけたら幸いです。

おすすめ動画:Whisky Tour: Caol Ila Distillery(YouTube)

カリラ蒸溜所はどんなウイスキーを出しているの?

カリラのほとんどはジョニーウォーカーなどのブレンデッドウイスキーに使用されますが、2001年からシングルモルトも販売しています。

カリラ12年

スペック
熟成年数:12年
度数:43%

テイスティングノート
『フレッシュ、甘くフルーティで、スムーズなボディのカリラ12年は、淡い麦わらの色とデリケートなバランスの味わいを持ちます。クリーンで食欲をそそる香りの中にかすかな柑橘系のフルーツとほんの一筋のスモークが包まれています。しっかりとしてスムーズ、始めは甘く、その後にフレグラントで甘いスモーキーさと長く尾を引くフィニッシュが続きます。』(ホームページより)

終わりに

以上、カリラ蒸溜所特集でした。

カリラ蒸溜所はとくにホームページの情報が薄く、調べるのに苦労しました(笑)
他の、蒸溜所特集に比べ内容が薄くなってしまった感があります、、、
何かよい情報元があれば、ぜひ教えてください!

みんなで情報・知識を共有して楽しみましょう!

それではまた、お会いしましょう!
乾杯!

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