酒類製造免許を取得するには?

雑談

お酒を作るためには専用の免許を取得する必要があります。

免許を取得するための条件は?
作ったお酒を売るのには販売免許が必要なのか?

このような疑問に答えていきます。

お酒の免許って?

  お酒は「作る」のも「売る」のにも免許が必要です。法律でしっかりルールが決められているので、これを守らないと違法行為になってしまいます。しっかり理解して、免許を取得してからお酒の製造・販売をしましょう。

お酒の免許って何があるの?

お酒に関する免許は大きく、お酒を作るための「酒類製造免許」とお酒を売るための「酒類販売免許」があります。例えば、ウイスキーを作りたい!という人は酒類製造免許を取得する必要があり、ウイスキーを輸入して国内で販売したい!という人は酒類販売免許が必要です。

また、お酒の種類によって法律が違うので、「ウイスキーの製造免許」や「ビールの製造免許」といったようにそれぞれのお酒に対して専用の免許があります。ビールを作りながらウイスキーも作りたい!という人は、それぞれの免許を取得する必要があり、ウイスキーの製造免許しかもっていない人がビールを作ってしまうと違法行為になってしまうので気をつけましょう。

酒類製造免許ってどうやったら取得できるの?

酒類製造免許を取得するには大きく以下の5つの要件をみたす必要があります。

(1)人的要件
(2)場所的要件
(3)経営基礎要件
(4)需給調整要件
(5)技術・設備要件

それぞれの要件について簡単に説明していきます。

人的要件とは

 人的要件とは、お酒を作ろうとしているその人自身が問題のない人かどうかという要件です。未成年でない、法律を犯していない、税金を滞納していないなど基本的なことが守れている人は特に気にしなくてよい要件です。

場所的要件とは

 場所的要件とは、製造場が取締り上不当な場所にないかという要件で、製造場を酒場や料理店と同一の場所につくろうとした場合は個別に確認が必要です。

経営基礎要件とは

 経営基礎要件とは、経営がしっかりとできるのかという要件で、資本金や販売管理体制が十分かということが問われます。

需給調整要件とは 

 需給調整要件とは、社会の需要と供給を調製する目的の要件で、需要が減っている酒類に関しては免許を与えないようにして供給とのバランスをとっています。日本酒などはこの要件によって非常に免許を取得しにくい状況ですが、ウイスキーに関しては現在需要が増えているため、この要件は特に気にしなくて平気そうです。

技術・設備要件とは

 技術・設備要件とは、そのお酒を作るのに十分な技術と設備があるのかという要件で、技術に関しては酒類製造に携わってきた経歴などで判断されます。よって自分で起業する場合などは、どこかの製造場で働いた経験があればこの要件を満たせます。

それぞれの要件の詳しい説明は国税庁のページに記載されているので興味のある人は確認してみてください。

自分で作ったお酒を売るには酒類製造免許と酒類販売免許の両方必要?

自分でお酒を作るのには「酒類製造免許」が必要で、売るのには「酒類販売免許」が必要だと話しました。それでは、自分で作ったお酒を売らなくてはいけないので「酒類製造免許」をとる人は必然的に「酒類販売免許」も必要なのかと疑問に思う人もいるかと思います。

結論から言うと限定的な販売ならば「酒類販売免許」は必要ありません。

国税庁によると

”酒類の販売業をしようとする場合には、酒税法に基づき、販売場ごとにその販売場の所在地の所轄税務署長から販売業免許を受ける必要がありますが、酒類製造者がその製造免許を受けた製造場において行う酒類(その製造場について製造免許を受けた酒類と同一の品目の酒類及びその製造免許を受けた製造場においてその酒類の原料とするために製造した酒類で税務署長の承認を受けた酒類に限ります。)の販売業については、免許を受ける必要はありません。”

つまり、「自分で作ったお酒を、その製造場内で販売する分には免許が必要ない」ということです。

製造場以外での販売や、自分が作っていないお酒などは別途申請をして販売免許を受ける必要があります。

技術要件を満たすには必ず修業しなくてはいけないのか?

酒類製造免許の条件、技術要件を満たすためには必ず修業をしなくてはいけないのか?

今すぐ、自分で試行錯誤しながら作り方を研究したい!
日本で自分の作りたいお酒を作っている製造場がなく、海外で修業するお金もない!

というような人たちは、時間がかかる修業を避けたいと考えるかもしれません。
そのような人たちが製造場に修業に行かなくても酒類製造免許を受け取る方法がいくつかあるので紹介します。

ただ、一番はやはり実際の現場でしか手に入らないノウハウがありますので短期でも修業をさせてもらえる場所を探したほうがいいと思います。

技術要件には「製造能力が認められる人」というあいまいな表現がされています。なので、必ずしも修業をする必要性はないものと考えられます。

修業に行かなくても技術要件を満たす方法1

「すでに技術を持っている人と一緒に事業を始める」

これはしごく単純で、自分で要件を満たせないなら、要件を満たした人と一緒に事業を始めてその人を製造責任者として免許の申請を行うのです。

この方法であれば、自分の作りたいものを作りつつ技術・ノウハウも学べるので修業をせずにすぐに事業を始めたいという人には一番いい方法だと思います。

ただ、一番の難点は志を同じにする製造能力を持った人を見つけることです。
これは様々な人脈、SNSなどを最大限活用してやっと見つかればとてもラッキーだというぐらいの可能性だと思いますので、もし見つからない人は次の方法も検討してみてください。

修業に行かなくても技術要件を満たす方法2

「試験製造免許を取得して製造能力を証明する」

酒類製造免許には商業用の免許とは違い、研究目的で酒類を製造するための試験製造免許があります。試験製造免許によって製造したお酒は営利目的で販売することはできないのですが、その代わり取得条件に「技術要件」が含まれていません。

国税庁によると

”1 「試験製造免許」の意義
 試験製造免許とは、真に試験研究を目的とする場合に限り付与するのであるから、例えば、試験製造した酒類を販売して多額の収益を得るような営利性がある場合又は自家用酒類の製造を目的とする場合は、試験製造免許の対象とはならない。”

2 試験製造免許の取扱い
 試験製造免許は、次のいずれかに該当する場合に付与する。(平17課酒1-53改正)
(1) 学校(学校教育法(昭和22年法律第26号)及び国立大学法人法(平成15年法律第112号)に規定する学校をいう。)において教育のために酒類の試験製造を行う場合
(2) 国又は地方公共団体が設置した図書館、博物館、公民館その他の社会教育に関する施設において教育のために酒類の試験製造を行う場合
(3) 国又は地方公共団体が設立している試験場、研究所等において試験研究するために酒類の試験製造を行う場合
(4) 独立行政法人酒類総合研究所及び地方独立行政法人において試験研究するために酒類の試験製造を行う場合
(5) 新商品開発、新技術開発等の目的で試験製造を行う場合
(6) 酒類の原料、製造設備等の製造又は販売業者が、当該原料等の品質を検査するために、酒類の試験製造を行う場合
(注)
1 試験製造免許は、法定製造数量の適用を受けないのであるから留意する。
2 酒母等の製造については、試験製造免許の制度が存在しないのであるから留意する。”

自分で作りたいお酒の製法を確立できていない段階であれば、(5)の「新商品開発、新技術開発等の目的」に該当しますので、まずは試験製造免許を取得し製法を確立後、その事実を「製造能力の証明」として申請すれば要件を満たせると考えられます。

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