・滑らかで蜂蜜のような特徴と、シェリーのスパイシーな香りが特徴的。
・モンキーショルダーに使用されている
・独自にフロアモルティングを行っている数少ない蒸溜所。
・ポットスチルは合計11基、年間生産量560万リットルとかなりの大規模。
バルヴェニー蒸溜所はどこにあるの?
バルヴェ二ー蒸溜所は、スコットランドの北東に位置するスペイサイド地方のダフタウンにあります。
『Balvenie(バルヴェ二ー)』はゲール語で『幸運の村』という意味だそうです。
また、ダフタウンの年間平均気温は以下のグラフの通りで、年間を通して気温差が少ないスコットランドらしい涼しい地域です。
バルヴェニー蒸溜所の歴史について教えて!
バルヴェニー蒸留所は、1892年にWilliam J. Grant(ウィリアムJ.グラント)によって設立され、翌年5月1日に生産が開始しました。 現在でも蒸溜所はまだウィリアム・グラント&サンズ社に所有権があります。
蒸留所が建設されたとき、グラントは設備を節約しなければなりませんでした。そのため蒸留器は、ラガヴーリン蒸留所からの蒸留器を使用しました。何年にもわたってバルヴェニー蒸溜所は安定して運営され、その人気もあり蒸留所はポットスチルの数を2つから4つに増やしました。
1971年に蒸留所全体が改装され、蒸留器の数は合計9つの蒸留器に増えました。 生産量が多くなったため、蒸留所のフロアモルティングではモルトの供給が間に合わなくなったため、蒸留所は大手モルトスターからモルトを仕入れるようになりました。
製法の特徴は?
原料について
バルヴェ二ー蒸溜所は、非常に珍しく独自の大麦農場とモルティングフロアを持っています。彼らは1000エーカー(約400万m²)ほどの土地使い伝統的なスコットランド大麦を育てています。そこで、収穫した大麦を蒸溜所内でフロアモルティングによって大麦麦芽にしています。
フロアモルティングや大手モルティング起業によるモルティング法について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみて下さい。
蒸溜について
バルヴェニー蒸溜所は2回蒸溜を採用しており、初溜用のウォッシュスチが5基と、再溜用のスピリットスチルが6基の合計11基のポットスチルを使用しています。容量は9000リットルから13000リットルまでと様々です。
ずべてのポットスチルに逆流ボールまたはボイルボールと呼ばれる丸い膨らみがあり、これにより銅との接触面積が増え、その冷却効果でより軽い成分が上昇しやすくなります。このボイルボールの形は出来上がるウイスキーの香味に大きく影響を与えるため、バルヴェ二ーの求めるウイスキーにはこれらのポットスチルでなくてはいけません。
樽詰めと熟成について
樽に詰められたニューメイクは熟成庫へと運ばれます。
蒸溜所には、伝統的なダンネージ式の熟成庫を使用しています。石の壁でできた倉庫はスコットランドの涼しい気候により非常に安定して低温で、ウイスキーはゆっくりと熟成していきます。また、熟成に使用する樽はバーボン樽、シェリー樽、ラム樽、ワイン樽など膨大な数と種類の樽を使用しています。
この多種多様な樽を管理するために、蒸溜所には独自の樽職人(クーパー)がおり、日々樽の検査、修理、組み立てなどを行っています。
バルヴェニー蒸溜所はどんなウイスキーを出しているの?
以下、紹介文・テイスティングノートなどはバルヴェニーの商品紹介ページより翻訳しています。
バルヴェ二ー 12年
バルヴェニー12年は、アメリカンオークの元バーボン樽で最低12年熟成させた原酒を厳選し、さらに9か月間オロロソシェリー樽で後熟させます。その後個々の樽を、「Tuns(タン)」と呼ばれる大きなオークの容器に3~4か月移され、マリッジさせてできあがります。2種類の木材で熟成することで独特の個性を発揮するこのシングルモルトは、バーボン樽由来の柔らかく繊細な特徴と、シェリー樽由来の深みと豊かさを兼ね備えています。
テイスティングノート:
香り | 蜂蜜とバニラを重ねた甘いフルーツとオロロソシェリーの香り。 |
味 | 滑らかでまろやか。ナッツのような甘さ、シナモンのスパイシーさ、そして繊細にバランスの取れたシェリーの層が、美しく組み合わされている。 |
余韻 | 長く暖かい |
バルヴェ二ー 14年
バルヴェ二ー14年は、伝統的なオーク樽で14年熟成されたあと、カリビアンラム酒が入っていた樽でフィニッシュされています。理想的な仕上がりのために、モルトマスターのデビッドは西インド産のラム酒樽を厳選し、バルヴェニーの伝統的な滑らかで蜂蜜のような特徴と、タフィーの香りとほんのりとした果実味のある、温かみのある長い余韻を持つ、並外れたシングルモルトウイスキーが生まれました。
テイスティングノート:
香り | リッチで甘くクリーミーな香りのタフィーが、フレッシュなフルーツの香りと組み合わさっている |
味 | バニラと甘いオークの香りで丸みを帯び、時間とともに広がるフルーティーな特徴を持つ |
余韻 | 柔らかく長い |
バルヴェ二ー 16年
バルヴェニー16年は、最も伝統的な3種類の樽、ファーストフィルバーボン樽、リフィルバーボン樽、シェリー樽で熟成した原酒を「Tuns(タン)」と呼ばれる大きな木製の容器にいれマリッジさせて出来上がります。これにより、独特の豊かで滑らかな蜂蜜の香味を与えます。
テイスティングノート:
香り | 豊かで複雑、かすかにバニラの甘さ |
味 | 繊細なフルーツがタフィー、オークタンニン、まろやかなスパイスと調和する |
余韻 | 優しくて長い |
バルヴェ二ー 17年
バルヴェ二ー17年は、最初にアメリカンオーク樽で熟成され、柔らかく甘いバニラの香りが、その後ヨーロピアンオークのシェリー樽に移され、豊かなスパイシーな風味が与えられます。また、バルヴェ二ー12年と同様に蜂蜜のような滑らかさとスパイシーな特徴がありますが、バニラの深い香りと、青りんご、クリーミーなタフィー、豊かさと複雑さで明らかに異なります。
テイスティングノート:
香り | エレガントで複雑なオーク、バニラ、蜂蜜の甘さ、そしてほんのり青リンゴ。 |
味 | ドライフルーツ、スパイス、トーストアーモンド、シナモンの甘い味わいで、クリーミーなタフィーの香りとオークと深いバニラが豊富に重なっています。 |
余韻 | バニラオーク、ハチミツ、スパイシーな甘さ。 |
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