グレーンウイスキーを生産しているガーバン蒸留所(Girvan Distillery)で、樽の品質管理に、特別に訓練された犬を探知犬として雇う試みがスタートしました!
ガーバン蒸留所はWilliam Grant & Sons という会社が所有しており、同社は他にもグレンフィディック蒸留所やバルヴェ二ー蒸留所などを所有し、世界で3番目の規模であるブレンデッドウイスキー『グランツウイスキー』を生産している、家族経営の会社です。
樽の品質管理を行うロッコ(Rocco)
探知犬として働いている犬は、コッカー・スパニエルという品種で名前はロッコ(Rocco)、一歳です。ロッコは専門家によって6か月間の訓練を行っており、品質に問題のある樽を指摘することができます。
問題のある樽が見つかると、ロッコの上司であるブランドディレクターのクリス・ウーフ(Chris Wooff*)に報告します。
*犬の鳴き声を英語で表す際、「Woof」と書くので、この奇妙な一致を海外メディアはジョークとして説明している。
ウーフは次のように説明しています。「木材は天然素材であり、ウイスキーの蒸留は有機的なプロセスです。したがって、グランツウイスキーの私たちの仕事は、オーク樽でウイスキーが熟成する過程すべてを完璧にすることです。ロッコのような犬の嗅覚は、人間の嗅覚の40倍です。私たちはロッコを特別に訓練することで、ウイスキーを熟成させるのに、正しくないものの香りを拾えるようにしました。機械的な「鼻」はワイン製造業界で広く使用されていますが、犬の自然な嗅覚を使用することで、クラフトスキルの伝統を維持したいと考えていました。ロッコが短時間で非常に多くの樽をチェックする能力は、私たちの職人チームへ大変貢献してくれています。」
また、チームリーダーのリアンヌ・ノーブル(Lianne Noble)は次のように述べています。「ロッコが働いている場所ならどこでも雰囲気が高まり、人々はロッコの前で笑顔を見せずにはいられません。ロッコは職場のペットではなく使役犬なので、シフトの合間に休憩しているときに邪魔されないようにするためのガイドラインがありますが、士気の向上は見るのが楽しいです。」
蒸留所でネズミ除けのためにネコを飼うことは聞いたことがありますが、樽の品質管理に犬を雇うのはこれが初めてではないでしょうか。この試みが広く認められれば、各蒸留所で独自の探知犬を雇う文化が生まれるかもしれません。
グランツウイスキーについて
多くのウイスキーは1つの樽で熟成させ、それらをブレンドしますが、グランツでは木材がそれぞれ違う3種類の樽で熟成させます。バージンオーク樽はスパイシーな丈夫さを与え、アメリカンオーク樽は微かなバニラの滑らかさを与え、バーボンリフィルはブラウンシュガーの甘さを加え、より滑らかで豊かな味わいになります。
3種類の樽で熟成させることで、グランツに独特の風味と複雑さを与え、品質を高めることができます。
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