ライムストーンウォーターとは

ウイスキーの科学

今回は、バーボンづくりには欠かせない「ライムストーンウォーター」を紹介します。

ライムストーンウォーターとは、石灰岩(ライムストーン)によって濾過された水のことを差します。
バーボンづくりが盛んなケンタッキー州には石灰岩が豊富にあり、ほとんどのバーボン蒸溜所はライムストーンウォーターを仕込み水に使用しています。

石灰岩は炭酸カルシウムを50%以上含んでいる蓄積岩のことで、これによって濾過された水は「鉄分」をほとんど含んでおらず、「カルシウム」が豊富な硬水になります。

ライムストーンウォーターがバーボンづくりに欠かせない理由はここにあります。「鉄」は発酵において好ましくない香味を生成してしまうため、お酒造りの世界ではとても嫌われています。逆に「カルシウム」は発酵の担い手である酵母を活性させる効果がるため、ライムストーンウォーターはお酒造りに最適な水といえます。

鉄やカルシウムといったミネラルは、蒸溜によってすべて取り除かれてしまうため、ライムストーンウォーターを仕込み水に使うことは、発酵の工程までに影響を与え、熟成の過程ではほとんど影響をあたえません。

また、「ライム」と聞くと緑色の柑橘の果物を想像しますが、綴りが同じだけで「石灰」という意味だそうです。石灰岩に含まれる炭酸カルシウムは、サンゴやフズリナといった炭酸カルシウムで殻をつくる生物たちが何万年という時間をかけて蓄積してできたものです。

参考

・「ウイスキー通」p92 土屋守
「石灰岩」planetscope

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