【酔っ払いの科学】科学的に酔わない方法は?

ウイスキーの科学

ウイスキーに限らず、お酒を飲むときに重要な要素の一つに「酔っぱらう」という面があると思います。これは、人によっては良い面と考える人もいるし、悪い面と考える人もると思います。また、お酒好きの人なら大なり小なり、酔っぱらって後悔した経験があるのではないでしょうか?

今回は、「酔っぱらう」とは科学的にどのような状態なのかを紹介し、自分が酔っぱらったときは「あ、今自分はこういう状態だな」と冷静に認識して、水を飲む量を増やしたりペースを抑えるなど、お酒とのうまい付き合い方の手助けになればと思います。

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酔うとは

酔うとは、「飲酒しアルコールが血中に吸収され、そのアルコールを含んだ血液が脳に到達することで脳の機能を阻害する現象」です。一般に酔いの程度は以下の6段階に分けられます。

段階血中アルコール濃度(%)状態
爽快期0.02~0.04・爽やかな気分
・顔が赤くなる
・快活
ほろ酔い期0.05~0.10・手の動きが活発になる
・理性が失われ始める
・体温上昇、脈が速くなる
酩酊初期0.11~0.15・気が大きくなる
・多弁
・指のふるえ
酩酊期0.16~0.30・千鳥足
・呼吸が早くなる
・吐き気・おう吐
泥酔期0.31~0.40・顔面蒼白
・言語不明瞭
・意識混濁
昏睡期0.41~0.50・呼吸麻痺
・失禁
・昏睡
参考[1],[2]

血中アルコール濃度は、アルコールの分解能力や体重などと大きく関わってくるため、これくらい飲んだら血中アルコール濃度はこれくらいになる、とは一概には言えません。

ですので一度、飲酒量と表の状態とを照らし合わせて、自分はこれくらい飲んだら爽快期からほろ酔い期に移るなというのを具体的な純アルコール量などで確認しておくと、飲酒量と自分の状態を冷静に認識する手助けになるのでおすすめです。

多くの人は、できれば爽快期でとどまりたいですよね。
科学的に爽快期でとどまる方法は大きく3つあります。

一つ目は「飲酒量を抑える」です。当たり前のことですが、爽快期になってから、それ以上の飲酒をしなければ原理的にほろ酔い期に移ることは絶対にありません。「あ、今自分は爽快期だな」と認識したらその時点でそれ以上の飲酒はキッパリ辞めるのです。
そんなことを言われても、もっと飲みたいという人もいるでしょう。そんな人には次の方法がおすすめです。

爽快期でとどまる2つ目の方法は「水を飲む」です。これも、よく言われていることですね。一杯のお酒に対してコップ一杯の水を飲めば悪酔いしないという話を聞いたことがある人もいると思います。ですが、もう少し具体的にどれくらいの水を飲めばいいのか計算してみましょう。

爽快期の上限、血中アルコール0.04%以下にとどめるには、まず単純に飲むお酒のアルコール度数が0.04%以下ならば、絶対に血中アルコール濃度は0.04%より大きくならないです。なので、度数5%のビールならば100倍の水を飲めば全体として0.05%になるので、ほろ酔い期に移ることはないでしょう。

つまり、度数5%のビールを350ml飲んだら、その100倍の35Lの水を飲めばいいのです!

冗談です(笑)。人体にはもともと水が大量に含まれているので、こんなに水を飲む必要は絶対にありませんので安心してください(笑)。

ここでは仮に体重60kgの人を想定しましょう。人は体重の約6割が水でできていると言われています。ですので、60kg×0.6=36Lの水が含まれています。これだけで、先ほどの必要な水分量35Lを上回りました。ここから、体重60kgの人はビール一缶を飲んだだけでは、ほろ酔い期に移ることはないことがわかります。(※あくまで個人差があります)

5%のビール350mlでは特に水を飲まなくても体内の水分で爽快期にとどまることがわかりました。では、2缶目以降では一缶飲むごとに先ほど説明した35Lの水を飲まなくてはいけないのか。そんな訳がないことは実体験からわかりますね(笑)。では、どれくらいの水を飲めばいいのか、これは爽快期でとどまる3つ目の方法が大きく関わってきます。

3つ目の方法は「時間をかけて飲む」です。一般的にアルコールは肝臓で1時間当たり7g分解されることがわかっています。この分解速度には個人差が大きく関与しますので、あくまで「一般的な体重60kgの人」という想定で話を進めます。
5%のビール350mlには約14gのアルコールが含まれています。具体的な純アルコール量の計算方法は以下の記事を参考にしてください。


つまり、ビール一缶あたり2時間ですべてのアルコールを分解できます。ですので、2時間に1缶のペースで飲めばアルコールの吸収と分解の速度が釣り合うので原理的には血中アルコール濃度は上昇しません。つまり、これ以上のペースでお酒を飲む場合には水を飲む必要があるわけです。

ちなみに、5%のビール350mlのアルコール量は、40%のウイスキー43mlと同程度です。

2時間の飲み会でビールを4缶飲む場合を想定しましょう。1缶分は2時間の間に分解され、もう一缶分は爽快期までしか血中アルコール濃度を上げないので、残りの2缶分のアルコールを相殺しなくてはいけません。これを相殺するには先ほど説明した1缶あたり35Lの水を飲む必要があります!つまり70Lの水を飲まなくてはほろ酔い期に移行してしまいます。

勘のいい人はもうお気づきだと思いますが、爽快期でとどめるには「飲む水の量より、飲むお酒の量とペース」が何よりも重要なのです。水の量で爽快期にとどめるのは至難の業です。

「そんなのおかしいぞ!水を飲めば実際に酔いにくかった!」という人もいると思います。これは確かに正しいです。先ほど説明した肝臓での分解以外にも、アルコールは尿として体外に排出されます。この時に水が大量に失われるので、体内の水分が少なくなればその分血中アルコール濃度は上昇しやすくなりますし、尿によるアルコール排出の抑制や、肝臓の分解機能の低下などをもたらすことなどが考えられます。

つまり、水を飲む効果というのは、直接水によって血中アルコール濃度を薄めるという目的よりもアルコールの代謝の際に失われる水分を補給する目的が大きいのです。そもそも、水を飲んだ分だけ血液が薄くなってしまったら大変なことになります(笑)

一回の尿量は約250ml程度らしいので、トイレに行った回数×250ml以上の水を補給してあげれば、あとは時間によるアルコール分解と排尿によるアルコール排出が滞りなく行われ、結果として酔いの程度や二日酔いが抑えられるのだと考えられます。また、これ以上の量の水を飲めばその分排尿が促されアルコールの排出が促進されることもあると思います。

まとめると

「酔いを抑えるには、飲む量とペースを抑え、排出した分の水分をきちんと補充する」です!

また、ほとんど触れませんでしたが、アルコールや水分の吸収には摂取してから30分程度の時間差があります。なので、体感してから飲酒量やペース、水分の補給などを調整するよりも最初から飲むペースを決め、あらかじめ水分を十分摂取してから飲むと悪酔いしないですむと思います。

今回の計算はあくまで想定です。お酒の代謝は個人差・体調による差が大きいので、自分の体調を冷静に認識して、楽しいお酒ライフを送りましょう!

この記事が何かのお役に立てれば幸いです。

参考

[1]『酒の科学』吉澤淑 朝倉書店
[2]「酔い」の仕組みとアルコール代謝 サッポロホールディングス株式会社

コメント

  1. […] […]

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